
AIを活用した3つのFAQシステム
近年FAQシステムにAIの活用が見られるようになってきました。AIがどのようにFAQに活用されているのか、主にAIを活用した3つのシステムを例にあげ、その効果まで詳しく紹介します。
AI活用1:チャット型FAQにより顧客の自己解決率を向上
1つ目は、自然な会話調の文章でシステムに質問し、必要な情報を引き出すチャット型FAQです。利用者とFAQシステムが1問1答を繰り返し、適切な回答を導き出すシステムです。
例えば、「スマホについて教えて」と入力すると、システムは「スマホの何が知りたいのですか?」と回答します。会話を繰り返すことで、問い合わせ内容を絞り込み、自然な形で回答を提供します。
すでに社内のヘルプデスクなどで活用が進んでおり、先進的な事例ではAIの正答率が実用レベルに達しています。こうした成果を受けて、ロボットへの応用を検討する企業も現れています。
- ■効果
- 顧客の自己解決力が向上。よくある質問が自動回答になるため今まで対応に費やしていた時間を他の業務に充てられます。
AIを活用したチャット型FAQシステム以外の種類についても知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
AI活用2:音声対話型でお客様サポートを自動化
続いてのAIの例は、チャット式ではなく音声認識を利用したFAQシステムです。音声認識による対話は、いったん聞き取った音を文字に置き換える機能(音声認識)が必要です。さらに、置き換わった文字を言葉として認識する機能(自然言語処理)が求められるため、極めて高度な技術が駆使されています。
この活用例に某携帯キャリアで採用されたコンシェルジュサービスがあります。キャラクターがスマートフォンに表示され、音声で質問を入力すると回答を表示したり、参考となるWebページの候補を一覧で提示したりします。
また、オペレーターが提供したFAQをデータベース化し、AIで質問内容を選別しながら、お客様の質問に合った回答を自動的に提供します。さらに、その情報を管理し、お客様がどのようなアクションをしたのか分析するレポートを作成する機能も備えているのです。
近年では、ナビゲーションシステムにも応用されています。行先を手入力することなく、音声で告げることで、地図上に道順を示してくれるようなサービスも提供しています。
- ■効果
- 顧客がどのようなアクションを取ったかを分析し、レポートとして可視化できるため、マーケティング戦略への応用にもつながります。
FAQシステムの活用事例は、以下の記事でも紹介しています。
AI活用3:音声案内でオペレーター業務を軽減
3つ目は、上記で述べたお客様のFAQ利用を簡単にする音声システムとは異なり、コールセンターやヘルプデスクのオペレーター業務を軽減する音声案内システムです。
問い合わせ対応に追われ、対応の不備が続くと顧客満足度の低下を招きます。さらに、クレーム対応の負荷により対応者のメンタルが崩れやすく、離職率の上昇や新入社員の育成の難しさといった課題を抱える企業も少なくありません。
お客様から寄せられる質問や苦情は極めて多彩で、スピーディーに回答したり、解決策を提案したりすることは、オペレーターに大きな負担がかかります。また、オペレーターの育成のために、業務を中断してお客様を放置することもできません。
そこで開発されたのが、音声認識でオペレータ支援をするシステムです。お客様の言葉から問題点を推論し、回答となる情報を自動的に一覧にするのです。オペレーターはモニターに自動表示された内容を確認し、それを案内するだけで対応できます。
例えばお客様が「結婚」という単語を発したとします。これをテキスト化し、「結婚」に関する質問情報を推論し、「住所変更」「口座変更」「契約者名の変更」など、結婚に伴う手続きを一覧表示します。これにより、お客様満足度の向上はもちろん、オペレーター技術の平準化、教育の効率化、コスト削減など、多くのメリットが期待できます。
- ■効果
- 対応の質がオペレーターの経験やスキルに左右されにくくなり、新人教育の効率化も期待できます。
AI搭載のFAQシステムが自社の課題解決にどう役立つか、まずは無料トライアルで体験してみましょう。無料FAQシステムの選び方や注意点については、以下の記事をご覧ください。
また、AI対応FAQシステムの導入事例をより詳しく知りたい方は、下記より資料をまとめてご請求いただけます。
おすすめのAI搭載FAQシステムを紹介
ここでは、ITトレンド2025年上半期ランキング(FAQシステム)をもとに、ユーザーからの資料請求数が多かった製品をピックアップ。AIを活用しているFAQシステムを厳選して紹介します。
Service Cloud
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Service Cloud」は、AI機能「Einstein」を搭載し、FAQのレコメンドや自動回答を強化できる顧客対応プラットフォームです。問い合わせ内容を分析し、最適なナレッジ記事やFAQをリアルタイムに提示することで、自己解決率の向上とオペレーター支援を同時に実現します。
Helpfeel(ヘルプフィール)
株式会社Helpfeelが提供する「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、独自のAI検索技術により、ユーザーの曖昧な質問表現でも意図を正確に読み取り、最適なFAQを高速で表示できるシステムです。自然文での検索に強く、問い合わせ件数の削減とユーザー満足度の向上に寄与します。
FastAnswer
テクマトリックス株式会社が提供する「FastAnswer」は、AIによるナレッジ検索補助機能を備えたFAQシステムです。過去の対応履歴やキーワードをもとに、ユーザーやオペレーターが求める情報を的確にレコメンドし、対応の属人化を防ぎながら業務効率を高めます。
さらに、AI対応製品を含めたFAQシステムの全体比較を行いたい方は、以下の記事もご覧ください。
AIを活用したFAQシステムの導入を検討しよう
AI技術の進化により、FAQシステムも「単なる検索」から「的確な自動応答」へと進化しています。顧客満足度の向上や、対応工数の削減を目指す企業にとって、AI搭載FAQは強力な選択肢となるでしょう。
自社に合ったAI搭載FAQシステムを導入することで、業務効率化と顧客体験の向上を同時に実現できます。 まずは各製品の特徴を比較し、最適なツールを見つけてみてください。
