ノバシステム株式会社(証券コード:5257)は、情報・通信業に属する企業です。本記事では、2026年12月期中間期の決算数値をもとに、業績の推移と通期計画に対する進捗を整理します。
2026年12月期中間期の売上高は35億15百万円となり、前年同期の32億94百万円から+6.7%の増収でした。営業利益は2億74百万円(前年同期比+214.9%)、経常利益は2億81百万円(同+170.2%)です。中間純利益は1億75百万円(同+153.6%)と、各段階の利益が前年同期から大きく伸びています。
詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【ノバシステム株式会社(証券コード:5257)徹底解説】SI中心の事業構造からクラウド拡大へ
1. 上半期の市場動向と後半への示唆
本記事で用いるデータには、今回の中間期に関する経営成績の定性的な説明が含まれていません。そのため、事業環境については開示された数値の変化から読み取れる範囲で整理します。個別の市場統計に基づく評価ではない点にご留意ください。
上半期の売上高は前年同期比+6.7%の増収でした。第1四半期の売上高は17億18百万円で、前年同期比+2.4%でした。これに対し、第2四半期の3か月間は17億97百万円と、前年同期の16億18百万円から+11.1%伸びています。四半期を追うごとに増収率が高まっており、受注や案件の稼働が上向いている可能性があります。
通期の会社予想は売上高75億35百万円(前期比+12.2%)です。上半期の増収率を上回る伸びを計画しており、下期にかけて売上の拡大が加速する前提と見られます。第2四半期の3か月間で2桁の増収となった点は、この前提に沿った動きと考えられます。
2. 業績推移
中間期の売上高は35億15百万円で、前年同期から2億21百万円増加しました。営業利益は2億74百万円で、前年同期の87百万円から約3倍に拡大しています。営業利益率は7.8%となり、前年同期の2.6%から5.2ポイント上昇しました。
経常利益は2億81百万円で、前年同期の1億04百万円から+170.2%の増益です。中間純利益は1億75百万円で、前年同期の69百万円から+153.6%増えました。1株当たり中間純利益は125.64円です。
四半期ごとの推移も確認しておきます。第1四半期の営業利益は1億21百万円でしたので、第2四半期の3か月間の営業利益は1億53百万円となります。前年の第2四半期の3か月間は8百万円の営業赤字でしたので、この3か月間で収益力が大きく改善した計算です。
財政状態は、中間期末の総資産が41億78百万円、純資産が24億34百万円です。前期末の総資産40億87百万円、純資産25億51百万円と比べると、総資産は増えた一方で純資産は1億17百万円減少しました。自己資本比率は58.3%で、前期末の62.4%から低下しています。現金及び預金は8億96百万円で、前年同期末の5億91百万円を上回っています。
3. 直近決算の重要ポイント
今回の決算で最も重要なのは、増収率を大きく上回る増益率を記録した点です。売上高が前年同期比+6.7%であるのに対し、営業利益は同+214.9%でした。前年同期の利益水準が低かった反動もありますが、利益の出やすい構造へ変化していることがうかがえます。
その背景として、粗利率の改善が挙げられます。中間期の売上総利益は8億36百万円で、売上総利益率は23.8%でした。前年同期は売上総利益5億96百万円、売上総利益率18.1%でしたので、5.7ポイントの改善です。
販売費及び一般管理費は5億62百万円で、前年同期の5億08百万円から54百万円増えました。売上総利益の増加額は2億40百万円であり、販管費の増加を大きく上回っています。粗利の改善が、そのまま営業利益の拡大につながった構図です。
4. 中間期が示す事業の実力
中間期の数値は、同社の収益力が前年から一段引き上がったことを示しています。営業利益率7.8%は、前年同期の2.6%だけでなく、前期通期の4.8%も上回る水準です。上半期だけで、前期通期の営業利益3億24百万円の約85%を稼いだ計算になります。
ただし、同社の業績は下期に利益が偏る傾向が見られます。前期は中間期の営業利益87百万円に対し、通期は3億24百万円でした。2024年12月期も中間期の営業利益2億06百万円に対し、通期は5億28百万円です。
この傾向を踏まえると、中間期時点の進捗率だけで通期の着地を判断するのは難しいと考えられます。今期の中間期の進捗率は、売上高46.6%、営業利益44.4%、経常利益42.6%、中間純利益39.6%です。前期の中間期は売上高で49.0%、営業利益で26.9%でしたので、利益面の進捗は前期を大きく上回っています。
5. 業界の注目ポイント
粗利率の改善が示すもの
システム開発や情報サービスの事業では、案件の採算が売上総利益率に直接表れます。同社の中間期の売上総利益率は23.8%と、前年同期の18.1%から5.7ポイント上昇しました。売上規模の拡大が6.7%であることを考えると、採算の良い案件の比率が高まったか、原価の管理が進んだ可能性があります。
一方で、本記事のデータからは事業別や案件別の内訳は確認できません。粗利率の改善が一時的な案件構成によるものか、継続的な体質改善によるものかは、下期以降の数値で見極める必要があります。第2四半期の3か月間で営業利益1億53百万円を確保した点は、改善が一過性ではないことを示す材料の一つと考えられます。
下期に偏る業績のパターン
同社の過去の決算を見ると、利益は下期に厚く計上される傾向があります。前期は中間期の営業利益87百万円に対して、下期の営業利益が2億37百万円でした。2024年12月期も中間期2億06百万円に対し、下期は3億22百万円です。
こうした季節性がある企業では、中間期の進捗率が50%を下回っても計画未達を意味するとは限りません。今期は中間期時点で営業利益の進捗率が44.4%に達しており、過去のパターンが続けば通期計画の達成は視野に入ると見られます。ただし、前期の下期実績と比べて大きな伸びが必要になる点には注意が必要です。
通期計画の達成に必要な下期の水準
通期予想は売上高75億35百万円、営業利益6億17百万円、経常利益6億60百万円、当期純利益4億42百万円です。中間期の実績を差し引くと、下期に必要な売上高は40億20百万円、営業利益は3億43百万円となります。
前期の下期実績は売上高34億22百万円、営業利益2億37百万円でした。計画達成には、下期の売上高を前年同期比で+17.5%、営業利益を同+44.7%伸ばす必要がある計算です。上半期の粗利率改善が下期も続くかどうかが、計画達成の鍵を握ると考えられます。
6. ITトレンド編集部の考察
今回の中間期決算は、売上高35億15百万円(前年同期比+6.7%)、営業利益2億74百万円(同+214.9%)と、利益の伸びが際立つ内容でした。売上総利益率が18.1%から23.8%へ改善し、販管費の増加を吸収して営業利益を押し上げています。前期に落ち込んだ利益水準からの回復が、数値の上で明確に表れました。
特に第2四半期の3か月間は、売上高が前年同期比+11.1%、営業利益が1億53百万円と好調でした。前年の同じ期間が営業赤字だったことを踏まえると、改善の幅は大きいといえます。増収率が四半期ごとに高まっている点も、下期に向けた前向きな材料と考えられます。
一方で、純資産は前期末の25億51百万円から24億34百万円へ減少し、自己資本比率も62.4%から58.3%へ低下しました。中間純利益を計上しながら純資産が減った要因は、本記事のデータからは確認できません。株主還元などの動きがあったかどうかは、決算短信本文で確認することをおすすめします。
通期予想は営業利益6億17百万円(前期比+90.3%)、当期純利益4億42百万円(同+89.0%)と、大幅な増益を掲げています。年間配当は105円を予想しています。下期に利益が偏る傾向を踏まえると、中間期の進捗は計画に対して順調な水準にあると見られます。
7. まとめ
- 2026年12月期中間期の売上高は35億15百万円(前年同期比+6.7%)、営業利益は2億74百万円(同+214.9%)
- 経常利益は2億81百万円(同+170.2%)、中間純利益は1億75百万円(同+153.6%)
- 第2四半期の3か月間は売上高17億97百万円(前年同期比+11.1%)、営業利益1億53百万円(前年同期は8百万円の赤字)
- 売上総利益率は23.8%で、前年同期の18.1%から5.7ポイント改善
- 総資産は41億78百万円、純資産は24億34百万円、自己資本比率は58.3%
- 通期予想は売上高75億35百万円(前期比+12.2%)、営業利益6億17百万円(同+90.3%)、経常利益6億60百万円、当期純利益4億42百万円(同+89.0%)
- 中間期時点の進捗率は売上高46.6%、営業利益44.4%で、下期偏重の傾向を踏まえると順調な水準
- 年間配当は105円を予想
ITトレンド編集部
IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

