クラウドサーバーの連携性を確認する視点
連携性を評価する際は、単に「連携できる」かどうかだけでなく、どこまでの操作が可能かを具体的に確認することが重要です。
連携性は業務システム全体を見て判断する
クラウドサーバーの連携性は、自社が利用している業務システム全体を踏まえて判断する必要があります。単体のシステムとの相性がよくても、他のシステムとの連携でつまずくと、業務全体の効率が下がる可能性があります。
まずは自社で連携させたいシステムを洗い出し、それぞれの連携方式(API、ファイル連携、専用コネクタなど)を整理しておくことが比較の出発点です。連携先が多い企業ほど、事前の整理が比較検討の効率を左右します。連携先ごとに担当部署が異なる場合は、あらかじめ関係者を集めて要件を確認しておくと、後からの手戻りを防ぎやすくなります。連携の優先順位をつけずに進めると、対応すべき作業が同時期に集中してしまい、担当者の負担が増える可能性もあるため注意が必要です。
標準連携とカスタム連携の違い
クラウドサーバーの連携機能には、あらかじめ用意された標準連携と、自社で構築するカスタム連携があります。標準連携は設定が比較的簡単ですが、対応しているシステムの範囲が限られる場合があります。
カスタム連携は柔軟性が高い一方、構築には専門知識が必要になり、開発工数もかかります。自社の情報システム部門の体制や、外部の専門事業者に依頼できるかどうかを踏まえて、どちらの連携方式が現実的かを検討しましょう。将来的にシステムを追加する予定がある場合は、拡張のしやすさもあわせて確認しておくと安心です。カスタム連携を構築した後の保守作業を誰が担当するかについても、事前に取り決めておくと運用開始後の混乱を防ぎやすくなります。
開発・運用系ツールとの連携
開発や運用を効率化するツールとの連携は、日常業務の効率に直結します。
CI/CDツールとの連携
CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)は、ソフトウェアの変更を自動的にテスト・反映する仕組みです。クラウドサーバーがCI/CDツールと連携できると、開発から本番反映までの作業を効率化しやすくなります。
連携を検討する際は、自社が使用しているCI/CDツールに対応したプラグインや連携方法が用意されているかを確認する必要があります。対応していない組み合わせでは、独自にスクリプトを構築する必要が生じ、開発工数が増える可能性があります。開発チームが複数のツールを併用している場合は、それぞれとの連携状況を個別に確認しておくとよいでしょう。連携設定の変更履歴をきちんと残しておくと、不具合発生時に原因を追いやすくなります。
外部監視ツールとの連携
クラウドサーバー自体に監視機能が備わっている場合でも、既に利用している外部の監視ツールと連携させたいというニーズもあります。この場合、監視データを外部ツールへ送信できる仕組みが用意されているかを確認する必要があります。
連携できるデータの種類や更新頻度は製品によって異なります。自社が監視したい指標が、連携先のツールで問題なく確認できるか、事前に検証環境で試すことをおすすめします。データの更新頻度が想定より低いと、異常の検知が遅れる可能性もあるため、あわせて確認しておきましょう。監視ツール側の通知設定もあわせて見直し、重複した通知が発生しないよう調整しておくとよいでしょう。
認証・ネットワークとの連携
社内の認証基盤やネットワーク機器との連携は、セキュリティと利便性の両立に関わる重要な確認事項です。
SSO(シングルサインオン)認証基盤との連携
SSOは、一度の認証で複数のシステムにログインできる仕組みです。クラウドサーバーがSSOに対応していると、利用者ごとのパスワード管理の手間を減らしやすくなります。
対応状況は認証方式によって異なるため、自社が利用している認証基盤の方式に対応しているかを個別に確認する必要があります。対応していない場合、システムごとに個別のログインが必要になり、管理の手間が増える可能性があります。利用者数が多い企業ほど、SSO対応の有無が日々の運用負担に大きく影響してきます。
既存のネットワーク機器との連携
社内のファイアウォールやルーターなど、既存のネットワーク機器とクラウドサーバーを連携させる場合、通信の設定や経路の確認が必要になります。特に拠点間でネットワークを接続する構成では、専用線やVPNなどの接続方式への対応状況を確認しておく必要があります。
ネットワーク構成の変更は、既存システムへの影響が大きい作業です。導入前に情報システム部門やネットワーク機器のベンダーと相談し、影響範囲を確認しながら計画的に進めることが重要です。変更作業を段階的に行い、一部の拠点から試験的に切り替えることで、想定外の通信障害が広範囲に及ぶことを防ぎやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウドサーバーの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミスとのハイブリッド構成
クラウドサーバーとオンプレサーバーを組み合わせて利用するハイブリッド構成では、システム間の連携方法が選定の重要なポイントになります。
ハイブリッド構成の考え方
ハイブリッド構成とは、一部のシステムはオンプレサーバーで運用し、一部はクラウドサーバーへ移行するなど、両方を組み合わせて利用する構成です。全面的な移行が難しいシステムがある場合の選択肢の一つです。
この構成を組む場合、どのシステムをクラウドへ移行し、どのシステムをオンプレのまま残すのかを整理する必要があります。移行の優先順位は、システムの重要度や移行のしやすさを踏まえて検討するとよいでしょう。法令や社内規程でオンプレ環境での保管が求められるデータがある場合は、移行対象から除外する判断も必要です。
ハイブリッド構成での注意点
ハイブリッド構成では、オンプレとクラウドの間でデータを同期させる仕組みが必要になります。同期のタイミングや反映の遅延がどの程度発生するかは、業務への影響を左右する重要な確認事項です。同期に失敗した場合に、自動で再送されるのか、管理者へ通知される仕組みがあるかも、あわせて確認しておくと安心です。
また、障害発生時にオンプレ側とクラウド側のどちらに原因があるのか切り分けが難しくなる場合もあります。監視体制やログの取得方法について、両方の環境を横断して確認できる仕組みを整えておくことをおすすめします。責任分界点をあらかじめ整理しておくと、障害発生時の対応がスムーズに進みやすくなります。
API連携のしやすさを確認する
API連携は多くのシステムで利用される連携方式であり、仕様の公開状況や制限を事前に確認しておくことが重要です。
APIの仕様公開状況を確認する
クラウドサーバーのAPIを利用して他システムと連携する場合、APIの仕様書が公開されているかを確認する必要があります。仕様が明確でないと、開発担当者が連携の実装を進めにくくなり、余分な確認作業が発生する可能性があります。
また、APIの呼び出し回数に上限が設定されている場合があり、上限を超えるとエラーが発生したり、処理が制限されたりする可能性があります。自社の利用頻度にあわせて、上限の範囲内で運用できるかを確認しておきましょう。利用量が今後増える見込みがある場合は、上限の引き上げが可能かどうかも、あわせて事前に確認しておくと安心です。
実際の連携動作を検証する方法
仕様書上は連携可能とされていても、実際の環境で想定通りに動作するとは限りません。契約前に検証環境で実際の連携動作を確認できるかをベンダーに相談しておくと、導入後のトラブルを避けやすくなります。検証環境が用意されていない場合は、影響範囲を限定した機能から試験的に導入する方法も選択肢の一つになります。
検証の際は、正常時の動作だけでなく、通信エラーが発生した場合の挙動やエラー内容の確認方法もあわせて試しておくと、運用開始後の対応がスムーズになります。検証結果は記録として残しておくと、後から仕様変更があった際の比較や、担当者交代時の引き継ぎ資料としても活用できます。
システム連携を確認したいクラウドサーバー製品
API連携やハイブリッド構成など、既存システムとの組み合わせを確認したい製品を紹介します。
リンク ベアメタルクラウド
- 用途に合わせてパブリック/プライベート、仮想/物理を選択可能
- データ転送料無料・10GbpsバックボーンNWで通信量が多くても安心
- 専門的なエンジニアによる「24時間365日」のサポート体制
株式会社リンクが提供する「リンク ベアメタルクラウド」は、物理サーバーとクラウドを組み合わせて構成できるホスティングサービスです。コントロールパネルから仮想サーバーと物理サーバーの構成を変更できるため、社内の運用ツールや監視の仕組みとあわせて管理しやすい環境を整えられます。電話・メールでの24時間365日サポートを標準で提供しており、既存システムとの連携方法についても相談しながら検討できます。
SHARERN(シェアルン)
- データの保管は国内で安心
- データの移行もお手伝い
- 使いやすい
日本ワムネット株式会社が提供する「SHARERN(シェアルン)」は、社内のNASやファイルサーバーからの移行を想定した企業向けクラウドストレージです。既存のファイルサーバー運用からの置き換えを前提に設計されており、オンプレミス環境からクラウドへ段階的に移行したい企業にも選択肢となります。20年以上の法人向けファイル共有サービスのノウハウを活かし、容量やユーザー数に応じたプランを用意しています。
SDPFクラウド/サーバー (NTTドコモビジネス株式会社)
- ハイブリッドクラウドでスムーズな移行を実現。
- 用途に応じたクラウド選択で高信頼運用。
- EA基盤でデータ収集・蓄積・管理・分析をワンストップ提供。
AlibabaCloud ECS (ソフトバンク株式会社)
- 最新CPUと高速メモリで低レイテンシ・高性能処理を実現
- 複数ゾーンと高可用構成で99.975%の稼働率を達成
- 従量課金や予約制など多様な料金体系でコスト最適化
AmazonLightsail (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 仮想サーバーやコンテナを数クリックで起動。
- 月額固定でクラウドリソースをシンプルに利用。
- ニーズに応じてリソースを拡張し、AWSと連携可能。
まとめ
クラウドサーバーの連携性は、CI/CDツールや監視ツール、SSO認証基盤、ネットワーク機器、オンプレミスとのハイブリッド構成、API連携など多方面から確認する必要があります。自社が連携させたいシステムを整理し、実際の動作を検証したうえで比較検討することが大切です。資料請求を活用し、複数の製品の連携仕様を比較してみてください。


