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決算個社IT・インターネット2026年05月21日

【サークレイス株式会社(証券コード:5029)徹底解説】ServiceNow・AI/Data支援を軸に成長するDX企業

【サークレイス株式会社(証券コード:5029)徹底解説】ServiceNow・AI/Data支援を軸に成長するDX企業

サークレイス株式会社は、DXコンサルティング、AI・データ活用支援、SaaSサービス、ServiceNow関連支援を展開するITサービス企業です。2026年3月期第3四半期累計では、売上高32億2百万円(前年同期比18.5%増)と増収となりました。一方で、営業利益は1,100万円(同78.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は400万円(同93.8%減)と大幅減益でした。

売上はコンサルティングサービスとアオラナウ事業が堅調に推移しましたが、人件費、採用費、地代家賃、システム関連費用の増加が利益を圧迫しています。

本記事では、同社の市場環境、事業構造、直近決算のポイントを整理し、IT・業務視点では「クラウド活用、AI・データ活用、ServiceNow導入支援が企業のどの業務プロセスに関係するのか」を読み解きます。


1. 市場背景と業界構造

サークレイス株式会社が属するのは、DXコンサルティング、クラウド導入支援、データ活用、業務プロセス改革を支援するITサービス市場です。

情報サービス産業において、競争力強化や生産性向上を目的としたDXの取り組みが継続しているとされています。基幹システムの刷新、業務プロセスの再設計、セキュリティ強化、データ活用の高度化に関する需要は底堅く推移しています。

また、生成AIの業務適用が広がる中で、単なるツール導入ではなく、業務・データ・システムを一体で再設計する取り組みが進んでいます。クラウド領域では、システムのモダナイゼーションやクラウド移行に加え、セキュリティ、データガバナンス、コスト最適化、運用高度化、利用部門への定着支援のニーズが拡大しています。

この業界でIT化・データ化・自動化が影響するのは、業務プロセスそのものです。たとえば、顧客管理、社内申請、ITサービス管理、データ分析、海外人事・給与管理、プロジェクト管理などが対象になります。サークレイス株式会社は、これらを支援する“DX推進側”の企業といえます。


2. 過去数年の業績推移

2026年3月期第3四半期累計の売上高は32億2百万円で、前年同期比18.5%増となりました。売上面では、コンサルティングサービスと、連結子会社アオラナウが提供する各サービスが堅調に推移しています。

一方で、利益は大きく減少しました。営業利益は1,100万円で前年同期比78.3%減、経常利益は900万円で83.7%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は400万円で93.8%減です。

減益の主な要因は、継続した人的資本投資による人件費・社員募集費の増加、さらに地代家賃やシステム関連費用の増加です。売上原価は前年同期比22.9%増、販管費は17.2%増となり、売上増を上回るコスト増が利益を圧迫しました。

つまり、同社は需要を取り込んで売上を伸ばしている一方、成長に必要な人材・拠点・システムへの投資が先行している局面と整理できます。ITサービス企業では、人材確保と育成が売上拡大の前提になるため、短期的な利益率低下は人的資本投資と表裏一体です。


3. 直近決算の重要ポイント

直近決算で注目すべき点は、報告セグメントの変更です。前連結会計年度より、従来の「デジタルプラットフォーム事業」単一セグメントから、「コンサルティング事業」と「アオラナウ事業」の2区分へ変更しています。これは、ServiceNow関連サービスを担うアオラナウ事業の重要性が増したためです。

コンサルティング事業は、売上高25億46百万円、セグメント利益5,710万円です。内訳を見ると、コンサルティングが11億36百万円、AI&Data Innovationが12億77百万円、SaaSサービスが1億32百万円です。AI・データ関連が主要な売上構成になっている点は、同社の事業方向性を示しています。

アオラナウ事業は、売上高6億56百万円、セグメント損失4,575万円です。ServiceNowのコンサルティングサービスを提供していますが、現時点では損失計上となっています。

新サービス面では、SaaSサービス「AGAVE」において海外給与計算の新機能を実装し、売上が好調に推移しています。AGAVEは海外人事・給与関連の業務に関わるSaaSであり、グローバル人事業務の効率化に接続するサービスと整理できます。

なお、通期業績予想の修正はありません。会社は第4四半期に売上・利益の計上が集中する見通しを示しています。


4. 事業構造と収益モデルの解説

サークレイス株式会社の事業は、大きく「コンサルティング事業」と「アオラナウ事業」で構成されています。

コンサルティング事業は、構想策定から実装、運用・定着までを一貫して支援する体制を持つ点が特徴です。業務改革やシステム導入では、ツール選定だけでなく、業務設計、データ整備、現場定着が重要になります。同社はこの一連の工程に関わるサービスを提供しています。

アオラナウ事業は、ServiceNowのコンサルティングサービスを提供します。ServiceNowは、ITサービス管理やワークフロー自動化などに関わるクラウド基盤であり、社内業務プロセスの標準化・自動化と関係します。

売上構成では、コンサルティング事業が25億46百万円、アオラナウ事業が6億56百万円です。IT導入担当者の視点では、同社サービスは以下の業務プロセスに関係します。

  • 基幹システム刷新
  • 業務プロセス再設計
  • AI・データ活用
  • ServiceNowによる業務ワークフロー整備
  • 海外給与計算・人事業務
  • クラウド運用・定着支援

5. 業界の注目ポイント

ポイント1:生成AI導入は“業務再設計”が前提
生成AIの導入は、単なるツール導入では成果が出にくく、業務・データ・システムを一体で設計する必要があります。これはIT導入で改善可能な領域ですが、現場業務の棚卸しとデータ整備が不可欠です。

ポイント2:クラウド活用の深化
クラウド移行だけでなく、セキュリティ、データガバナンス、FinOps、運用高度化、定着支援のニーズが拡大しています。これはIT導入後の運用設計が成果を左右する領域です。

ポイント3:デジタル人材不足とコスト増
デジタル人材の需給逼迫は、ITサービス企業の人件費や採用費を押し上げます。これはIT導入だけで解決できる問題ではありませんが、標準化、教育、ナレッジ共有、開発プロセス改善によって一定の改善余地があります。


6. ITトレンド編集部の考察

サークレイス株式会社は、企業のDXを「構想策定から実装、運用・定着まで」支援する企業です。今回の決算では、売上は伸びているものの、人的資本投資やシステム関連費用の増加により利益が大きく減少しました。これは、成長需要を取り込むための体制強化が先行している状況といえます。

同社が向いているのは、クラウドやSaaSを導入するだけでなく、業務プロセスそのものを再設計したい企業です。特に、ServiceNowを活用したワークフロー整備、AI・データ活用、海外人事・給与業務の効率化を検討する企業にとって、比較対象になり得ます。

一方で、アオラナウ事業は売上を確保しつつもセグメント損失を計上しており、事業拡大と収益化のバランスは今後の確認ポイントです。導入検討者は、サービス範囲だけでなく、プロジェクト品質、納期管理、定着支援、運用後の支援体制まで含めて評価する必要があります。


7. まとめ

サークレイス株式会社を一言で表すなら、クラウド・AI・データ活用と業務定着を支援するDXコンサルティング企業と考えます。

2026年3月期第3四半期は、売上高32億2百万円で18.5%増と成長しましたが、営業利益は1,100万円まで減少しました。背景には、人的資本投資、人件費、採用費、地代家賃、システム関連費用の増加があります。

IT・業務観点では、同社の価値はツール導入そのものではなく、業務・データ・システムを一体で再設計し、現場に定着させる支援にあります。導入検討者は、クラウド移行、ServiceNow導入、AI・データ活用、海外人事業務など、自社のどの業務プロセスを変えたいのかを明確にしたうえで比較検討することが重要です。

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