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決算個社IT・インターネット2026年08月04日

【株式会社テラスカイ(証券コード:3915)徹底解説】2027年2月期 第1四半期──営業利益+79.0%、Salesforce・SAPクラウド移行の両輪が牽引

【株式会社テラスカイ(証券コード:3915)徹底解説】2027年2月期 第1四半期──営業利益+79.0%、Salesforce・SAPクラウド移行の両輪が牽引

株式会社テラスカイは、「クラウド世代のリーディング・カンパニー」を掲げ、Salesforceの導入開発を中核とするソリューション事業と、グループウェア「mitoco」などを提供する製品事業を展開する情報・通信企業です。連結子会社の株式会社BeeXがSAPのクラウド・マイグレーション事業を手がけるほか、株式会社NTTデータとの資本業務提携も進めています。2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)の連結業績は、売上高79億46百万円(前年同期比+20.3%)、営業利益5億66百万円(同+79.0%)、経常利益6億10百万円(同+74.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億50百万円(同+64.5%)と、大幅な増収増益を達成しました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
株式会社テラスカイ(証券コード:3915)の決算解説

本記事では、今期スタートを取り巻く市場環境、業績の推移、増収増益の背景、そして通期予想に向けた進捗を整理します。


1. 今期スタートを取り巻く市場環境

当第1四半期のわが国経済は、円安による資源・原材料価格の上昇や、中東・ウクライナ情勢などの地政学リスクにより、引き続き先行き不透明な状況が続いています。一方で、国内のクラウド市場は依然として拡大が続いており、同社が主力事業を展開するセールスフォース関連市場では、生成AIによる影響が懸念されていたものの、Salesforceと自律型AIエージェント「Agentforce」による顧客ROIの向上が期待されています。

クラウドエンジニア人材の不足が恒常化する中、同社は積極的な採用と独自のエンジニア育成に取り組み、質・量ともに業界トップクラスの認定資格者を確保することで、クラウド市場におけるリーダーポジションでの事業展開を継続しています。2024年4月発表の株式会社NTTデータとの資本業務提携についても、両社が手掛ける具体的なシステム導入案件が前期より開始されており、協業の実効果が今期の業績にも表れ始めていると見られます。


2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社テラスカイ 2027年2月期 第1四半期決算短信(PDF)

当第1四半期の売上高は79億46百万円(前年同期比+20.3%)となりました。損益面でも、営業利益5億66百万円(同+79.0%)、経常利益6億10百万円(同+74.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億50百万円(同+64.5%)と、増収を上回るペースで利益が拡大しています。

増益の背景には、外注費の抑制に加え、量子コンピュータ関連の株式会社Quemixとタイ法人TerraSky(Thailand)の売上増による赤字縮小があります。また、前年度に実施した米国法人の解散や外注費抑制の効果が製品事業の黒字転換に寄与するなど、コスト構造の改善が着実に進んでいる様子がうかがえます。

通期(2027年2月期)の業績予想は、売上高343億49百万円(前期比+22.4%)、営業利益25億41百万円(同+62.9%)、経常利益26億28百万円(同+52.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益15億26百万円(同-2.9%)で、2026年4月14日公表の予想から変更はありません。純利益のみ前期比マイナスの計画となっている点には留意が必要です。


3. 直近決算の重要ポイント

セグメント別に見ると、ソリューション事業の売上高は73億55百万円(前年同期比+20.0%)、セグメント利益は9億20百万円(同+24.2%)となりました。Salesforceを中心としたクラウドサービスの導入開発や、株式会社BeeXのクラウド・マイグレーション事業、セールスフォースエンジニア派遣を手がける株式会社テラスカイ・テクノロジーズなど、グループ各社の業績が総じて好調に推移したほか、2025年10月に連結子会社化した株式会社キットアライブの寄与も加わりました。

製品事業の売上高は6億50百万円(同+24.1%)、セグメント利益は47百万円(前年同期はセグメント損失28百万円)となり、黒字転換を果たしました。グループウェア「mitoco」を始めとする全製品のサブスクリプション売上が前年比で増加したことに加え、ERP製品販売に付随する導入売上が発生したことが寄与しています。

財政状態では、流動資産が前期末比2億48百万円増の158億3百万円、固定資産は3億8百万円減の63億50百万円となりました。純資産は149億24百万円で、自己資本比率56.5%と健全な水準を維持しています。前払費用の増加や契約負債の増加は、案件の積み上がりを反映したものと見られます。


4. 今期の重点領域と収益構造

同社の収益構造は、Salesforce導入開発を中心とするソリューション事業が売上の9割超を占める一方、mitocoなど自社製品のサブスクリプション売上を積み上げる製品事業が着実に成長している点が特徴です。今期はソリューション事業のセグメント利益率が12.5%(9億20百万円÷73億55百万円)となり、前年から改善しました。

2026年3月には創業20周年を迎え、経営理念を刷新しました。AIや量子技術の進化によるパラダイムシフトを見据え、システムインテグレーターの枠を超えた事業展開を目指す方針を打ち出しています。2026年4月には、Salesforce Japan Partner Award 2026において複数部門を受賞するなど、対外的な評価も高まっています。

今後の重点領域としては、Agentforceを活用したAIエージェント案件の拡大、株式会社BeeXによるSAPクラウド・マイグレーション事業の伸長、そして製品事業における「mitoco」のサブスクリプション拡大が挙げられます。量子コンピュータ関連事業やタイ法人の赤字縮小も、収益改善に寄与する要素として注目されます。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:Agentforceを軸とした生成AI活用の広がり
Salesforce社が提供する自律型AIエージェント「Agentforce」による顧客ROI向上への期待が高まっており、同社もAIのシステム開発への活用や自社AI製品のリリースを進めています。生成AIがSaaS市場全体に与える影響が懸念される中、Agentforceを活用した提案力の強化が競争力の源泉になると考えられます。

ポイント2:SAPクラウド・マイグレーション事業の安定成長
連結子会社の株式会社BeeXが手がけるSAPのクラウド・マイグレーション事業は、グループのコア事業として堅調に業績を伸ばしています。企業の基幹システムのクラウド移行需要は中長期的に続くと見られ、同事業の成長余地は引き続き大きいといえます。

ポイント3:M&Aとグループ経営効率化の効果が顕在化
前期に実施した子会社2社の吸収合併、米国法人の解散、株式会社キットアライブの連結子会社化といった施策の効果が、今期の増益に着実に表れ始めています。グループ経営の効率化が利益率改善に結びつく好例といえるでしょう。


6. ITトレンド編集部の考察

2027年2月期第1四半期を一言で表すと「Salesforce・SAPクラウド移行という2つの成長エンジンが噛み合い、増収を上回るペースで増益を実現した四半期」です。営業利益+79.0%という伸び率は、前期のグループ経営効率化施策(子会社統合・海外法人解散)の効果が着実に利益に反映されていることを示していると見られます。

特に製品事業が黒字転換した点は注目に値します。mitocoのサブスクリプション売上の積み上げが進んでいることは、ストック型収益の拡大という観点で中長期的な収益安定性の向上につながると考えられます。一方、通期予想では純利益のみ前期比-2.9%を見込んでおり、今後の投資動向や特別損益の発生によって、通期の増益基調がどこまで維持されるかを注視する必要があります。

クラウドエンジニア人材の不足が恒常化する中、同社が業界トップクラスの認定資格者数を武器に案件を継続的に受注できるかが、中期的な成長の持続性を左右するとみられます。


7. まとめ

株式会社テラスカイを一言で表すと、「Salesforce導入開発とSAPクラウド移行の両輪に加え、製品事業の黒字転換でストック収益も拡大させている企業」です。

2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)の業績は以下のとおりでした。

  • 売上高 79億46百万円(前年同期比+20.3%)
  • 営業利益 5億66百万円(同+79.0%)
  • 経常利益 6億10百万円(同+74.2%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益 3億50百万円(同+64.5%)

セグメント別ではソリューション事業が売上高73億55百万円(+20.0%)・セグメント利益9億20百万円(+24.2%)、製品事業が売上高6億50百万円(+24.1%)・セグメント利益47百万円(前年同期はセグメント損失28百万円)と黒字転換しました。自己資本比率は56.5%です。

通期(2027年2月期)の業績予想は、売上高343億49百万円(+22.4%)、営業利益25億41百万円(+62.9%)、経常利益26億28百万円(+52.2%)、純利益15億26百万円(-2.9%)を計画しています。Agentforceを軸とした生成AI活用とSAPクラウド移行需要の取り込みが、今後の成長ペースを左右する焦点となりそうです。

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