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決算個社サービス/外食/レジャー2026年09月14日

【株式会社インソース(証券コード:6200)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──DX研修が牽引し増収増益、利益率は低下

【株式会社インソース(証券コード:6200)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──DX研修が牽引し増収増益、利益率は低下

株式会社インソースは、企業・官公庁向けの社会人研修を中核に、公開講座やLMS「Leaf」などのITサービスを展開する人材育成企業です。2026年9月期第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)の連結売上高は115億82百万円(前年同期比+8.9%)となりました。

営業利益は44億48百万円(同+3.7%)、経常利益は45億02百万円(同+4.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は30億77百万円(同+6.2%)です。増収増益を確保した一方、利益の伸びは売上高を下回りました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【株式会社インソース(証券コード:6200)徹底解説】DX教育×SaaSの成長モデルとは

本記事では、第3四半期時点の市場環境と業績の推移、事業別の進捗、通期着地に向けた論点を整理します。


1. 通期着地を左右する市場環境

決算短信によると、当第3四半期累計期間の社会人教育市場では底堅い需要が続きました。人的資本経営を通じて企業価値を高めようとする機運に加え、人手不足や採用難が背景にあります。採用で人材を確保しにくい分、既存社員の育成に投資する企業が増えていると見られます。

DX教育市場では、データ利活用の進展やAIの社会実装に伴い、市場の拡大が見られました。生成AIの業務活用が広がるにつれ、全社員向けのリテラシー研修から専門人材の育成まで、学習テーマは多様化していると考えられます。

研修の受け方も変わりつつあります。対面研修に加え、オンライン研修やオンデマンド配信、LMSを組み合わせる企業が増えています。コンテンツと配信基盤の両方を持つ事業者が選ばれやすい環境と見られ、第4四半期(2026年7〜9月)の需要の持続力が通期着地を左右すると考えられます。


2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社インソース 2026年9月期 第3四半期決算短信(PDF)

当第3四半期累計期間の売上高は115億82百万円(前年同期比+8.9%)、営業利益は44億48百万円(同+3.7%)となりました。経常利益は45億02百万円(同+4.6%)、純利益は30億77百万円(同+6.2%)です。

前年同期は売上高106億37百万円(前年同期比+15.9%)、営業利益42億91百万円(同+21.2%)でした。二桁の増収増益だった前年と比べると、今期は成長ペースが落ち着いた形です。

売上総利益は88億38百万円で、売上総利益率は76.3%と前年同期の76.8%から小幅に低下しました。販売費及び一般管理費は43億89百万円と前年同期の38億79百万円から13.2%増えています。その結果、営業利益率は38.4%(前年同期は40.3%)となりました。

通期予想は売上高160億円(前期比+10.3%)、営業利益63億80百万円(同+6.7%)、経常利益64億30百万円、純利益44億円(同+6.5%)です。2026年5月7日公表の予想から変更はありません。なお、第1四半期決算時点の予想(売上高168億円、営業利益68億円)からは引き下げられた水準です。

第3四半期時点の進捗率は、売上高72.4%、営業利益69.7%です。通期予想の達成には、第4四半期単独で営業利益19億32百万円程度が必要になります。前期の第4四半期単独の営業利益16億87百万円を上回る水準であり、下期の積み上げが焦点と考えられます。

年間配当予想は1株当たり35円で、前期の25円から増配となる見通しです。財務面では、第3四半期末の自己資本比率が81.3%と高い水準を保っています。


3. 直近決算の重要ポイント

最も大きな伸びを示したのは講師派遣型研修事業で、売上高は55億76百万円(前年同期比+10.8%)でした。デジタル関連の研修実施回数は前年同期比16.7%増、全体の研修実施回数も同5.1%増です。DX関連の研修需要を着実に取り込んでいることがうかがえます。

公開講座事業の売上高は28億12百万円(同+8.4%)です。DX関連研修の受講者数は前年同期比25.8%増、総受講者数は同3.9%増となりました。1開催あたりの受講者数は1名減ったものの、平均単価が同4.3%上昇し、増収に寄与しています。

ITサービス事業の売上高は15億19百万円(同+4.8%)でした。LMS「Leaf」のアクティブユーザー数は2026年6月末時点で546万人を超え、前年同期比19.3%増です。有料利用組織数は919組織(前年同期末比85組織増)となり、ARRは14億75百万円(同+4.3%)に伸びました。

利益面では、販管費の増加が伸びを抑えました。同社は生成AI活用やDX推進に関する研修コンテンツの開発、「AI-OJT」の機能追加を進めています。営業体制の強化や交通広告も実施しており、今期は先行投資が利益率を押し下げた局面と見られます。

一方で、厳選採用や生成AIの活用、グループ全体での人員配置の最適化など、販管費の増加を抑える取り組みも進めています。投資と効率化のバランスが、第4四半期以降の利益率を左右すると考えられます。


4. Q3時点の事業進捗

インソースは教育サービス事業の単一セグメントですが、事業種別では講師派遣型研修、公開講座、ITサービス、その他の4つに分かれています。当第3四半期累計の売上構成比は、講師派遣型研修が48.1%、公開講座が24.3%です。ITサービスは13.1%、その他は14.4%を占めています。

収益モデルの特徴は、一度開発した研修コンテンツを複数のチャネルで繰り返し提供できる点にあります。講師派遣、公開講座、オンデマンド配信、eラーニング教材と、同じ知見を形を変えて届けられます。売上総利益率が76%台と高い水準にあるのは、こうしたコンテンツ資産の再利用性が背景にあると考えられます。

ITサービス事業は、Leafの月額利用料を中心としたストック型の収益です。アクティブユーザー数が約2割伸びた一方で、ARRの伸びは+4.3%にとどまりました。拡大したユーザー基盤を、有料機能や単価の向上につなげられるかが今後の論点と見られます。

その他事業の売上高は16億73百万円(前年同期比+7.4%)です。高収益の動画・eラーニングの販売本数は前年同期比3.6%減となりました。一方、映像制作ソリューションの制作本数は同61.0%増と大きく伸びており、自社向け教材を制作したい企業の需要を取り込んでいると考えられます。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:生成AI研修の需要拡大と内容の高度化

インソースの決算では、デジタル関連の研修実施回数やDX関連研修の受講者数が全体を上回るペースで伸びました。生成AIを業務に取り入れる企業が増え、使い方の基礎を学ぶ研修への需要が広がっていると見られます。

今後は、基礎的なリテラシー教育から、業務プロセスへの組み込みやデータ活用を担う人材の育成へと、研修テーマが高度化していくと考えられます。研修事業者には、技術の変化に合わせてコンテンツを素早く更新する力が求められます。

企業側にとっては、単発の研修で終わらせず、職種や役割に応じた学習体系をどう設計するかが課題です。外部研修とeラーニングを組み合わせ、継続的に学べる仕組みを整える動きが広がると見られます。

ポイント2:LMSを軸にした研修と学習データの一体運用

Leafのアクティブユーザー数が546万人を超えたことは、LMSが研修運営の基盤として定着しつつあることを示しています。受講管理や進捗の把握、テストの実施などを1つのシステムで行う企業が増えていると考えられます。

集合研修とeラーニングを別々に管理していると、受講履歴や評価データが分散し、育成施策の効果を検証しにくくなります。研修の実施とLMSでの学習管理を一体で運用できるかどうかが、サービス選定の重要な観点になると見られます。

一方で、ユーザー数の伸びに比べてARRの伸びは緩やかでした。LMS市場では基本機能での差別化が難しくなりつつあり、生成AI機能やコンテンツとの連携といった付加価値が問われる段階と考えられます。

ポイント3:人的資本開示と研修投資の可視化

2023年3月期以降、上場企業などの有価証券報告書では人的資本に関する情報の記載が求められるようになりました。人材育成の方針や研修への投資状況を、社外に説明する必要性が高まっています。

こうした流れは、研修の実施そのものに加え、受講実績や育成の成果をデータとして把握するニーズを生んでいると考えられます。研修時間や受講者数、スキルの習得状況を集計・可視化できる仕組みは、開示対応と育成施策の改善の両面で役立ちます。

決算短信で触れられた人的資本経営の機運は、一時的な需要ではなく、中長期にわたって研修市場を支える要因になると見られます。


6. ITトレンド編集部の考察

インソースの第3四半期決算は、研修需要の底堅さと、成長投資による利益率の低下が同時に表れた内容と考えられます。売上高は+8.9%と堅調ですが、前年の二桁成長と比べると伸びは落ち着きました。通期予想も第1四半期時点から引き下げられており、成長の持続力を見極める局面にあると見られます。

注目したいのは、DX関連研修とLeafのユーザー数という2つの指標が、全体を上回るペースで伸びている点です。研修コンテンツとLMSを両方持つ強みが、生成AI時代の人材育成ニーズと噛み合っていると考えられます。

eラーニングやLMSの導入を検討する企業にとっては、システム単体の機能だけでなく、研修コンテンツや運用支援まで含めて比較する視点が重要です。自社で教材を作る場合は、映像制作や教材更新の負担も含めて検討するとよいでしょう。

一方で、ARRの伸びが緩やかであることから、LMSの有料機能の拡充や価格体系の見直しが今後進む可能性もあります。導入時には、利用人数の拡大に伴う費用の変化や、将来の機能追加の方針を確認しておくことが望ましいと考えられます。


7. まとめ

インソースの2026年9月期第3四半期決算のポイントは以下のとおりです。

  • 売上高は115億82百万円(前年同期比+8.9%)、営業利益は44億48百万円(同+3.7%)
  • 経常利益は45億02百万円(同+4.6%)、純利益は30億77百万円(同+6.2%)
  • 講師派遣型研修事業が55億76百万円(同+10.8%)と全体を牽引
  • Leafのアクティブユーザー数は546万人超(同+19.3%)、ARRは14億75百万円(同+4.3%)
  • 販管費が13.2%増加し、営業利益率は38.4%に低下
  • 通期予想は売上高160億円、営業利益63億80百万円、純利益44億円で据え置き
  • 年間配当予想は35円(前期は25円)

第3四半期時点の営業利益の進捗率は69.7%で、第4四半期の積み上げが通期予想達成の鍵になります。DX・生成AI研修の需要を収益にどこまで結びつけられるかが、今後の注目点です。


ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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