ES調査で把握できる内容
ひとくちにES調査といっても、聞く内容や実施の間隔によって形は変わります。まずは何を測る取り組みなのかを整理しましょう。
調査で聞く主な項目
よく聞かれるのは、仕事の内容へのやりがい、上司との関係、職場の人間関係、評価や処遇への納得感、労働時間や休みの取りやすさ、会社の方針への理解といった項目です。会社が知りたいことに応じて、質問は組み立てます。
質問の作り方には注意が必要です。答えを誘導するような聞き方をすると、実態と離れた結果になります。自由に記入できる欄を設けると、数値では表れない事情も拾えます。ただし、書かれた内容から個人が特定されない配慮も欠かせません。
実施の間隔による違い
年に1回、項目を多く設けて詳しく聞く形が広く行われてきました。これに対し、数問だけを短い間隔で繰り返し聞く方法もあり、パルスサーベイと呼ばれます。変化を早くつかみたい場合に用いられます。
間隔を短くすると、答える側の負担が増えます。毎回同じ質問が続くと、深く考えずに答えるようになる恐れもあります。詳しい調査を年1回、簡易なものを月1回というように、組み合わせる進め方もあります。
結果の見方
全体の平均だけを見ても、対策にはつながりません。部署別、年代別、勤続年数別といった切り口で比べると、どこに課題があるかが見えてきます。前回の結果と並べれば、変化の方向もわかります。
ただし、人数の少ない部署では、個人が推測される恐れがあります。一定の人数に満たない場合は集計を出さないといった配慮が必要です。集計の単位は、実施前に決めて社員にも伝えておきましょう。
ES調査を実施するメリット
調査の効果は、点数がわかることだけではありません。対策の決め方や、社員との関係にも関わります。3つの角度から整理します。
課題のある場所を絞り込める
感覚では気づきにくい問題を、数値として把握できます。特定の部署だけ評価への納得感が低い、若手だけ将来への不安が強いといった傾向が見えれば、対策の対象を絞り込めます。限られた予算と人手を、効果の見込める場所に配分できます。
ただし、数値が低い理由まではわかりません。業務量、上司との関係、制度への理解など、複数の要因が関わります。数値をきっかけに、聞き取りなどで背景を確かめる進め方が必要です。
取り組みの効果を確かめられる
制度を変えたり施策を行ったりした後、同じ質問で聞けば変化を確かめられます。効果が見えなければ、やり方を見直す判断ができます。続けるかどうかの議論も、数値をもとに進められます。
ただし、数値の変化は施策だけによるものとは限りません。業績の動きや、組織の変更、社会全体の状況も影響します。変化の理由を一つに決めつけず、複数の材料をあわせて判断しましょう。
社員の声を聞く姿勢を示せる
調査を行うこと自体が、意見を聞く姿勢の表明になります。日ごろ言いにくいことを、匿名で伝えられる場にもなります。自由記入の欄からは、想定していなかった課題が見つかることもあります。
結果を社員に共有すると、その効果はさらに高まります。何がわかり、何に取り組むのかを伝えることで、聞かれただけで終わらないという受け止めにつながります。共有する範囲は、実施前に決めておきましょう。伝え方によっては、部署間の比較が過度に意識される点にも配慮が必要です。
ES調査のデメリットと注意点
実施すれば状況が良くなるわけではありません。次の点を押さえたうえで検討しましょう。
実施しただけでは不満が強まる恐れがある
聞かれたのに何も変わらないと、社員は期待を裏切られたと感じます。次回の調査で回答率が下がったり、当たり障りのない答えが増えたりすることも考えられます。実施する前に、結果をどう扱うかを決めておく必要があります。
すべての要望に応えることはできません。取り組むこと、すぐには難しいことを分けて伝える方法があります。理由を添えて説明すれば、対応できない場合でも納得は得やすくなります。取り組みの進み具合を途中で知らせる機会をつくる方法もあります。
設計と集計に手間がかかる
質問の作成、実施の案内、回答の集計、結果の分析と報告まで、一連の作業には時間がかかります。紙や表計算ソフトで行うと、集計だけで相当な工数を要します。人事の担当者が他の業務と兼任している場合、負担は大きくなります。
外部のサービスを使えば、この作業を減らせます。他社との比較ができる調査もあります。ただし費用がかかるため、自社で行う場合の時間と比べて判断しましょう。
率直な回答を得にくい場合がある
匿名としていても、部署や役職を答える欄があると、特定されると感じる人もいます。特に人数の少ない部署では、その傾向が強くなります。回答が本音から離れると、調査そのものの意味が薄れます。
誰が結果を見るのか、どの単位で集計するのかを事前に伝えましょう。回答を評価に使わないと決めた場合は、その方針も明示します。外部のサービスを使い、個別の回答を社内で見られない形にする方法もあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で従業員満足度調査の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
実施を支えるサービスを選ぶときの確認項目
調査の設計から集計までを支えるサービスがあります。目的とのあい方と、結果の活かし方、回答者の情報を守る仕組みという3つの点から確認しましょう。
質問の内容を自社にあわせられるか
決まった質問をそのまま使う形と、自社の課題にあわせて追加できる形があります。他社と比べたい場合は、共通の質問が含まれる調査が向きます。自社独自の制度について聞きたい場合は、質問を足せるかを確かめましょう。
答える側の負担も考える点です。質問が多すぎると、後半は雑に答えられる恐れがあります。所要時間の目安を確認し、実際に自分たちで答えてみる方法もあります。
結果を対策につなげられる形かを確かめる
点数の一覧だけでは、何をすべきかがわかりません。どの項目が全体の満足度に影響しているかを示せるか、優先して取り組む項目を絞り込めるかを確認しましょう。報告書の見本を見せてもらう方法もあります。
実施後の支援があるかも確かめる点です。結果の読み方を説明してもらえるか、部門長向けの報告会を行えるかを尋ねましょう。担当を1人に固定せず、複数人で結果を扱える体制にしておくことも重要です。
回答者の情報が守られる仕組みかを確かめる
誰がどう答えたかを社内で見られない形になっているかを確認しましょう。個別の回答は外部の会社だけが扱い、社内には集計結果のみを渡す形もあります。この扱いを社員に説明できるかどうかが、率直な回答を得るうえで重要です。
集計を出す最少の人数が設定されているかも確かめる点です。数人の部署の結果がそのまま出ると、個人が推測される恐れがあります。データの保管期間や、調査後の扱いについても契約前に確認しておきましょう。
従業員の受け止めを数値で把握できる調査サービス
設問の設計や分析の観点にあわせて検討できる、従業員満足度調査を支えるサービスを紹介します。
Wevox
- 月額9万円〜全機能利用可能!初期費用・契約期間の縛りなし。
- AIサポートや他社比較など、データの分析に役立つ機能が豊富。
- 実名閲覧やセキュリティ設定、活用支援...多様なオプションあり
株式会社アトラエが提供する「Wevox」は、従業員のエンゲージメントを定期的に測定するサーベイサービスです。短い設問を繰り返し配信する形式で、状態の変化を追いやすい構成になっています。部署ごとの結果を比較できる機能もあり、職場ごとの傾向を把握する材料として使えます。
ラフールサーベイ
- 導入アカウント数累計350,000!
- 自社の課題に合わせた豊富な対策パッケージ!
- 使い慣れない方にも安心の徹底サポート!
株式会社ラフールが提供する「ラフールサーベイ」は、従業員の心身の状態と組織の状況をあわせて把握するサーベイサービスです。ストレスチェックの機能とあわせて実施できる構成もあり、健康面と組織面の両方から状況を確認できます。分析の結果をもとに、改善に向けた相談ができる体制も用意されています。
モチベーションクラウド
- 13,460社、589万人以上国内最大級のデータベース
- 組織の「現状把握」から「成果改善」までを伴走支援
- 経営と現場をつなぐオールインワンのサービス
株式会社リンクアンドモチベーションが提供する「モチベーションクラウド」は、組織の状態を診断し、改善につなげるためのサーベイサービスです。従業員の回答を集計し、他社の傾向と比較しながら自社の状態を確認できる仕組みを備えています。診断結果をもとにした改善の進め方について、相談できる体制もあります。
リクルートマネジメントソリューションズの人材育成・組織開発サービス (株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
- 階層別育成から組織変革まで幅広く支援
- 研修やコンサル等多様な手法で業務改善を支援
- 社員の自律的成長を組織の成果へ
テガラみる (株式会社テガラミル)
- IT資産の棚卸と台帳管理を自動化し、工数を削減
- 診断と対策でサイバー攻撃リスクを低減
- 導入から運用までIT担当者の負担を軽減するサポート体制
ES調査に関するよくある質問
実施を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: どのくらいの頻度で実施するとよいですか?
- 年に1回の詳しい調査を基本とし、必要に応じて短い調査を組み合わせる形があります。頻度を上げるほど答える側の負担も増えます。結果を対策に反映できる間隔かどうかを基準に決めましょう。
- Q2: 回答率が低い場合はどうすればよいですか?
- 原因は一つとは限りません。案内が届いていない、答える時間がない、答えても変わらないと思われているなど、複数が考えられます。前回の結果と取り組みを共有したうえで、実施の目的を改めて伝えましょう。
- Q3: 結果は社員に公開すべきですか?
- 公開する範囲は会社の方針によります。全体の傾向だけを示す方法もあります。ただし、まったく共有しないと不信につながる恐れがあります。何をどこまで伝えるかを、実施前に決めておきましょう。
- Q4: 小規模な会社でも実施できますか?
- 人数が少ないほど、回答から個人が推測されやすくなります。集計の単位を全社に限る、外部のサービスを使うといった配慮が必要です。人数の少ない会社に対応した調査もあるため、相談してみましょう。
まとめ
ES調査には、課題のある場所を絞り込めること、取り組みの効果を確かめられること、社員の声を聞く姿勢を示せることというメリットがあります。一方で、実施しただけでは不満が強まる恐れや、設計と集計の手間、率直な回答を得にくい場合という課題も伴います。まずは結果をどう扱うかを決めてから実施しましょう。資料請求を活用して比べてみてください。


