送り状発行システムとは
送り状発行システムとは、宅配便などの配送伝票(送り状)を効率的に作成・印刷し、送り状発行を中心とした出荷業務を効率化するためのシステムです。ECサイトや受注管理システム(OMS)、倉庫管理システム(WMS)と連携することで、宛名や配送先情報の入力ミスを防ぎ、大量の伝票を短時間で発行できます。
送り状発行システムの主な機能
送り状発行システムには、主に以下のような機能が搭載されています。
- ■データ取込・出力機能
- CSVファイルなどで受注データを取り込み、配送会社のフォーマットに合わせて送り状を出力します。
- ■送り状・関連帳票の発行
- 各種配送会社の専用伝票や、倉庫作業用のピッキングリストなどを一括で印刷します。
- ■配送状況(問い合わせ番号)の管理
- 発行された伝票のお問い合わせ番号を管理し、顧客への出荷完了メール送信などをスムーズに行えるようにします。
送り状発行システムを導入するメリット
送り状発行システムを導入することで、物流業務の現場にどのような好影響をもたらすのでしょうか。ここでは、代表的な5つのメリットを解説します。
手入力によるミスの削減
受注データをシステムに直接取り込むため、担当者が手作業で宛名や品名を打ち込む必要がなくなります。これにより、誤字脱字や住所の間違いといったヒューマンエラーが大幅に削減され、誤配送のリスク低減につながります。
作業時間の大幅な短縮
数百件、数千件におよぶ出荷指示でも、システムを使えば数クリックで一括処理が可能です。伝票作成にかかっていた膨大な時間が削減され、梱包や検品といった他の重要な物流作業にリソースを集中させられます。
配送状況の一元管理
出荷時に発行される追跡番号(お問い合わせ番号)をシステム上で管理するため、荷物が現在どこにあるのかを容易に把握できます。万が一の配送トラブル時にも迅速な対応がしやすくなり、業務の円滑化につながります。
人件費などのコスト削減
作業の自動化と効率化により、出荷業務に関わる人員の残業時間を削減できます。また、繁忙期であっても少人数で業務を回せるようになるため、長期的な視点で見ると大幅な人件費削減が期待されます。
顧客満足度の向上
正確かつ迅速な出荷体制が整うことで、指定日時の確実な配達や、出荷完了メールのタイムリーな送信が可能になります。その結果、エンドユーザーの信頼を獲得しやすくなり、顧客満足度の向上に直結します。
送り状発行システムの選び方
自社に合う送り状発行システムを選ぶには、対応する配送会社や必要な機能、既存システムとの連携性などを確認することが大切です。ここでは、導入前に押さえておきたい5つの比較ポイントを解説します。
提供形態(クラウド型/オンプレミス型/パッケージ型)
送り状発行システムの提供形態は、主にクラウド型・オンプレミス型・パッケージ型の3つです。クラウド型はインターネット環境があれば利用でき、初期費用を抑えて短期間で導入しやすい点が特徴です。
オンプレミス型やパッケージ型は、自社環境にあわせた運用やカスタマイズがしやすく、セキュリティ要件が厳しい企業にも適しています。予算やITインフラ、運用体制を踏まえて選びましょう。
対応している配送会社
自社で利用している配送会社の送り状発行に対応しているかを確認しましょう。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便、西濃運輸など複数の配送会社を使い分けている場合は、マルチキャリア対応の製品を選ぶと、管理画面やフォーマットを一本化しやすくなります。
必要な機能
自社の業務課題や出荷スタイルに合う機能が備わっているかを確認しましょう。CSV取込や宛名自動入力に加え、ピッキングリスト・納品書の発行、温度帯指定、複数個口の自動計算など、必要な機能を事前に整理しておくことが大切です。
料金体系
料金体系は製品によって異なり、初期費用+月額固定料金、発行件数に応じた従量課金制、配送会社が提供する無料ツールなどに分かれます。出荷件数が少ない場合は無料ツールや従量課金制、多い場合は月額固定制が適している傾向があります。将来の事業成長も見据え、費用対効果をシミュレーションしましょう。
既存システムとの連携性
受注管理システム(OMS)やECカート、在庫管理システム、基幹システム、倉庫管理システム(WMS)と連携できるかも重要です。API連携に対応していれば、CSVファイルの出力・取込といった手作業を減らし、出荷業務をよりスムーズに進められます。
▶複数配送会社に対応する送り状発行システムを比較
ここからは、おすすめの送り状発行システムを3つのタイプに分けて紹介します。まずは、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便など主要キャリアに対応したシステムです。複数の配送会社を使い分ける企業は、送り状発行や荷札印刷、出荷データ管理を効率化できます。
送り状名人 (ユーザックシステム株式会社)
- 複数運送会社の送り状発行を一つのシステムで管理。
- 運送EDI対応で送り状レス運用を支援。
- バーコード発行や基幹システム連携に対応。
Ship&co (株式会社BERTRAND)
- ShopifyやAmazonなど複数ECの注文を一元管理。
- ヤマト運輸やFedExなど国内外配送会社に対応。
- 送り状発行後に追跡番号を自動同期可能。
ShippSyS
株式会社UMTECが提供する「ShippSyS」は、EC事業者や物流倉庫向けの送り状発行システムです。佐川急便のe飛伝Ⅲやヤマト運輸のB2クラウド、EC一元管理システムのネクストエンジンなどと連携し、送り状PDFの生成や送り状番号の反映を自動化できます。
送り状印刷13 (ティービー株式会社)
- 運送会社37社の送り状・荷札フォームを収録。
- Excel・CSV・Accessデータの取り込みに対応。
- B2クラウドやe飛伝Ⅲ向けCSV書き出し機能を搭載。
送助 (株式会社ヘキサード)
- 送り状や商品ラベルの印刷を一元化可能。
- 主要運送会社システムとのデータ連携に対応。
- 販売管理システム連携で二重入力を軽減。
▶EC・通販業務に強い送り状発行対応システムを比較
ECサイトや通販事業では、受注管理・在庫管理・出荷処理と送り状発行を連携できるシステムが適しています。各種ECカートやモールと連携すれば、注文データの取り込みから送り状データの出力、出荷完了処理までを効率化できます。
GoQSystem (株式会社GoQSystem)
- 年間受注件数2,324万件の実績
- 標準で3分・最短で1分の高速在庫連携機能
- 定額料金制&最低利用期間3か月の安心感
LinkPrintCLOUD (ティービー株式会社)
- JIIMA認証(電子取引ソフト)を取得
- EIPA参画済み(電子インボイス対応)
- ISMS(ISO/IEC 27001:2022)認証取得
▶帳票発行にも対応する送り状発行システムを比較
送り状だけでなく、納品書や請求書、ラベルなどもまとめて発行したい場合は、帳票発行機能に強いシステムが適しています。出荷業務に必要な書類を一元的に作成・印刷し、帳票ごとに異なるツールを使い分ける手間を削減します。
超票クリエイター (小林クリエイト株式会社)
- 送り状や納品書など多様な帳票発行に対応。
- 複数の印刷レイアウトを事前登録可能。
- 複数プリンタへの振り分け印刷に対応。
LAION (株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.)
- 送り状・納品書の一体型帳票を標準機能で印刷可能。
- APIやCSV連携で基幹システムと接続可能。
- スマートフォンを用いた検品・スキャン印刷に対応。
▶配送会社が提供する無料・専用の送り状発行システムを比較
特定の配送会社を利用している場合は、各社が提供する無料・専用ツールも選択肢です。対応範囲は限られるものの、低コストで導入しやすく、送り状作成や出荷情報の管理を手軽に効率化できます。
送り状発行システムB2クラウド (ヤマト運輸株式会社)
- インストール不要で登録当日から利用可能。
- Excel・CSV形式のデータ取込みに対応。
- 配送状況の一括問合せや検索機能を搭載。
e飛伝Ⅲ (佐川急便株式会社)
- インストール不要で利用開始できるクラウドサービス。
- CSV、Excel、固定長形式の出荷データ取り込みに対応。
- 複数出荷場への出荷指示に対応した最新版e飛伝。
ゆうパックプリントR (日本郵便株式会社)
- 送り状やあて名シールをパソコンから印字可能。
- 顧客リストなど既存データの取り込みに対応。
- 配送状況確認や配達予定日メール通知機能を搭載。
Biz-Logi WEBⅡ (SGシステム株式会社)
- 複数の出荷拠点の作業進捗を一元管理可能。
- ケアマーク入り送り状の発行に対応。
- 複数条件で送り状の発行順序を指定可能。
送り状発行システム導入時の注意点
送り状発行システムを導入する際は、既存業務との相性や費用対効果、運用体制を事前に確認しておくことが大切です。以下のポイントを押さえて検討を進めましょう。
- ■既存業務フローとの整合性
- システム導入により、受注から出荷までの業務フローが変わる場合があります。現場が混乱しないよう、導入前に新しい業務フローを整理し、マニュアル化や社内トレーニングを行いましょう。
- ■コストと費用対効果のバランス
- 高機能なシステムほど料金も高くなる傾向があります。自社の出荷件数や課題に照らし合わせ、削減できる人件費・作業時間とシステム利用料のバランスを確認しましょう。
- ■運用体制の整備
- システムは導入して終わりではありません。マスタデータの更新やトラブル発生時の対応フローなど、安定運用に必要な社内体制をあらかじめ整えておきましょう。
送り状発行システムに関するよくある質問
ここでは、送り状発行システムの導入を検討している方からよく寄せられる質問をまとめました。
Q1:無料で使えるシステムはありますか?
はい。ヤマト運輸の「B2クラウド」や佐川急便の「e飛伝Ⅲ」、日本郵便の「ゆうパックプリントR」など、配送会社が自社の顧客向けに無料で提供しているシステムがあります。ただし、利用範囲は各配送会社のサービスに限られるのが一般的です。
Q2:個人事業主でも導入できますか?
はい、個人事業主や小規模なEC運営者でも導入可能です。クラウド型や無料ツールであれば初期費用を抑えて始めやすいため、出荷件数や事業規模に合う製品を選ぶとよいでしょう。
Q3:導入までどのくらいの期間がかかりますか?
クラウド型の場合は、申し込みから数日〜1週間程度で利用開始できるケースがあります。一方、既存システムとの高度な連携や個別カスタマイズが必要な場合は、要件定義や開発に数か月かかることもあります。
Q4:既存のECカートや受注管理システムと連携できますか?
多くの送り状発行システムは、主要なECカートや受注管理システムとのCSV連携に対応しています。API連携機能を備えた製品であれば、手動でのデータ入出力を減らし、よりスムーズな自動連携を実現できます。導入前に連携実績を確認しておきましょう。
まとめ
送り状発行システムは、手作業による入力ミスを削減し、出荷業務にかかる時間を短縮するためのツールです。自社に合うシステムを選ぶには、「対応する配送会社」「必要な機能」「既存システムとの連携性」を中心に比較することが大切です。
まずは自社の出荷件数や業務課題を整理し、複数の製品を比較検討しましょう。送り状発行システムを活用すれば、物流部門の業務効率化や顧客満足度の向上につながります。


