
メールアカウントが乗っ取られるとどうなる?
メールアカウントが乗っ取られると、不正アクセス者により顧客や取引先へ迷惑メールやフィッシングメールが送信され、企業の信用低下につながります。また、メール本文や添付ファイルから機密情報が漏えいし、取引先情報や個人情報が悪用されるリスクも。
さらに、不正利用による請求や社内システムへの侵入被害に発展する場合も考えられ、金銭的損失や法的責任を負う可能性もあります。
メールアカウントの乗っ取りが起こったときに行うべき対策

メールの乗っ取り被害に遭った場合、どうすればよいのでしょうか。
1.メールアカウントの確認
まずはメールアカウントに正常にログインできるかどうかを確認しましょう。もしできなければ、すぐにサポート窓口に問い合わせる必要があります。
ログインできたら、設定におかしいところがないかチェックしてみてください。例えば、受信メールが乗っ取り犯に自動転送されるようになっている場合があります。ほかにも、署名のURLやメールアドレスが書き換えられているケースも見受けられます。不審な点がないか全面的に確認を行いましょう。
2.パスワードの再設定
問題なくログインできた場合でも油断はできません。乗っ取られたことを本人に気付かせないために、あえてパスワードを変えていない可能性があるからです。直ちにパスワードを再設定しましょう。
なお、同じログインパスワードを他サービスに用いているのであれば、すべて再設定することを推奨します。再設定時にはできるだけパスワードの使いまわしを避け、乗っ取られた際のリスク低減に努めましょう。
3.登録アドレスへの連絡
アカウントを乗っ取った犯人は、メールアカウントに登録してある連絡先へ、不正にメールを送っている可能性があります。メールを受け取った人は、それが乗っ取りによる不正なものだと気づかず開封してしまうかもしれません。万が一そのメールにウイルスや詐欺サイトへのリンクが仕込んであれば、さらなる被害が予想されます。
そのため、登録していた連絡先に対して、自身のアカウントが乗っ取られていることを通達しましょう。安易に受信したメールを開かないように注意を呼び掛けます。
4.ウイルスチェックの実施
最後に、パソコンやスマートフォンをセキュリティソフトでスキャンします。メールアカウントの乗っ取りだけでなく、デバイスに仕込まれたウイルスが原因の可能性があるためです。確実に検出するために、一部ではなくシステム全体の完全スキャンを実行してください。
何も検出されなければ問題ありませんが、脅威が見つかった場合はパスワードを再設定してください。新しいパスワードであっても、ウイルスによって盗み取られている恐れがあるためです。
例えば、キーロガーが不正に仕込まれていたら、入力した文字はすべて盗み見られている危険性があります。デバイスを完全にクリーンな状態にしてから再設定することで、はじめて安全性を確保できます。
万が一に備えるなら、メールセキュリティ製品の導入が有効です。ITトレンドでは、法人向けのメールセキュリティ製品をまとめて比較・資料請求できます。目的や課題に合った製品を見つけ、効率的に導入検討を進めましょう。
メールの乗っ取りが起こってしまう原因
メールアカウントは、特定されやすい簡単なパスワードを使っていたり、他サービスと同じものを使い回したりすることで簡単に不正ログインされてしまいます。さらに、迷惑メールの添付ファイルやリンク先からウイルスをもらってしまう場合や、攻撃者が「ブルートフォースアタック」といわれるパスワードの総当たり攻撃を仕掛けてくるケースもあります。
代表的なメール乗っ取りの手口は次のとおりです。
- ■辞書攻撃
- 辞書に載っている単語などを基にパスワードを推測する
- ■総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)
- 考えられるパスワードのパターンをすべて試す
- ■フィッシング
- 偽物のサイトに誘導しパスワードやIDを入力させ騙し取る
このほかにも、SNSにアップしている誕生日やあだ名などの個人情報からパスワードを推測される、パスワードが書かれたメモを物理的に盗まれるといった原因も考えられます。
メールの乗っ取りを未然に防ぐには
ここからは、メールの乗っ取り被害にあわないための予防策を紹介します。メールアカウントを守るには、アカウント・端末のセキュリティ強化、ウイルス対策が重要です。具体的には以下の対策が有効です。
- ●記号・英数字を組み合わせて複雑なパスワードを設定する
- ●パスワードを定期的に変更する
- ●パスワードの使い回しをやめる
- ●ログイン時の二段階認証を設定する
- ●定期的にウイルスチェックを実施する
- ●メールセキュリティ製品を導入する
そのほか、「不審なメール・ファイルを開かない」「テレワークや移動中にフリーWi-Fiに接続しない」「共用のPCで社内システムにログインしない」など、情報セキュリティについての社内教育を実践するのもよいでしょう。
乗っ取りの予防にはメールセキュリティ製品の導入が有効
メールアカウントの乗っ取りを防ぐには、ユーザーのリテラシーだけに頼るのではなく、システムによる多層的な防御が重要です。なかでも有効なのがメールセキュリティ製品の導入です。
メールセキュリティ製品とは、フィッシング詐欺やマルウェア付きメール、不正アクセスのリスクから利用者を守るためのITツールです。受信メールをリアルタイムでスキャンし、危険性の高いメールを検知・隔離することで、ユーザーの目に触れる前にリスクを除去できます。
また、管理者側ではメールのログ監視やフィルタリング設定、通信の暗号化といった機能を活用することで、組織全体のセキュリティレベルを高められます。
「セキュリティ対策を強化したいけれど、何を選べばいいかわからない…」という方は、まずはいくつかの製品を比較してみるのがおすすめです。ITトレンドでは、複数のメールセキュリティ製品をまとめて一括で資料請求できます。機能・価格・導入事例を比較しながら、自社に最適なセキュリティ対策を見つけましょう。
【独自調査】メールセキュリティ製品を導入した企業のレビュー
ここでは、メールセキュリティ製品を導入している企業からITトレンドに寄せられたレビューを紹介します。利用者の声をもとに、導入後に感じられたメリットや課題を確認し、導入への参考にしてみてください。
誤送信防止に効果がある
添付ファイル付きのメールは上席者の事前承認が必須となるため、誤送信リスクを大幅に低減できると評価されています。さらに、初めて送信する相手にはアラートが表示されることで、送信前のアドレス確認が徹底されるようになったとの声もあります。
GUARDIANWALL Mailセキュリティを利用したユーザーの口コミ
査閲者である上司も人間であり、ミスを起こすリスクがあるという意味では仕方ないことかもしれないが、添付ファイルのパスワードが送信先に自動送信されるのではなく、自分でメールを作成して送らなければならない点。査閲者の都合で送信タイミングが左右されるため、レスポンスは悪化するリスクがある。
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リモート環境でも安心できる
リモートワークの推進に伴い導入され、既存のメールツールとの連携性や未知のマルウェアへの対応力が評価されています。社外からのアクセスでも安定したセキュリティを確保できるため、社員が安心して業務に取り組める環境を実現できるとの声が寄せられています。
IIJセキュアMXサービスを利用したユーザーの口コミ
リモートワーク推進の際のセキュリティ強化において、必須のサービスということで導入されました。「Microsoft 365」としっかりと連携できるメールセキュリティである点や、未知のマルウェアの脅威にも対応可能な点が魅力です。
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公式のメールマガジンが迷惑メール判定されることがあります。また管理画面のUIはもう少しシンプルにすることでスマートな機能選択が可能になると思います。
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人気のメールセキュリティ製品を紹介
ここでは、実際にどのようなメールセキュリティ製品があるのかを見てみましょう。ITトレンド上半期ランキング2025(メールセキュリティ)部門で、資料請求数が多かった上位3製品を紹介します。
Microsoft 365 with IIJ
- うっかりミスによる誤送信はメール取り消し機能で対策
- それぞれのセキュリティ機能でメール受信リスクを極小化
- 添付ファイル自動暗号化機能でメール誤送信時の情報漏えいを防止
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「Microsoft 365 with IIJ」は、Microsoft 365にIIJ独自のメールセキュリティを追加し、同料金で安全性を高めたサービスです。送信保留による宛先確認、脅威メールの多層防御、添付ファイルの自動暗号化などにより、誤送信や情報漏えいのリスクを軽減します。管理ポリシーも柔軟に設定可能です。
まるっとメールセキュリティ for Outlook
- チェック機能とガード機能の両方を備えたシンプルで頼もしい設計
- 必要な機能だけを絞り込んだことでリーズナブルな価格を実現
- 社外への送信時は暗号化やパスワード自動生成機能等で誤送信防止
株式会社トインクスが提供する「まるっとメールセキュリティ for Outlook」は、Outlook向けの誤送信防止と標的型攻撃対策を組み合わせたサービスです。送信時には宛先や本文の確認、添付ファイルの自動暗号化を行い、受信時には不審メールの特徴を検知し警告を表示。利用者の「気づき」を促し、ヒューマンエラーや攻撃メールによる被害を未然に減らします。
使えるメールバスター
- かんたん設定で強力なスパムメール対策を実現
- PCへの個別ソフトインストールが不要
- Office365等の主要メールサービスにも対応
使えるねっと株式会社が提供する「使えるメールバスター」は、クラウド型のメールセキュリティサービスです。学習型AIを活用した独自フィルタリングでスパムやウイルス、標的型攻撃メールをサーバ到達前にブロックし、ネットワークを保護します。ソフトのインストールや更新作業が不要で、運用負担を軽減しつつ、誤受信や情報漏えいのリスクを低減します。
以下の記事では、最新のメールセキュリティ製品について、価格や特徴を比較できます。ぜひ参考にしてください。
端末監視を強化するならEDRの導入も有効
メールの乗っ取りを完全に防ぐには、メールセキュリティ製品だけでなく端末全体の監視・防御を強化するEDR(Endpoint Detection and Response)の導入も効果的です。EDRは、PCやスマートフォン上での不審な挙動をリアルタイムで検知し、万が一侵入を許しても素早く対処できます。メールを入り口とした攻撃が社内ネットワークに広がるリスクを抑えられるため、多層防御の観点から導入を検討する企業も増えています。
以下で、資料請求数が多かった上位3製品を紹介します。
ESET PROTECT MDR
- 予防・検知・対応から運用までをESETがワンベンダーで実現
- キヤノングループ・ESET社のエンジニアがMDRサービスを提供
- 24時間365日体制で、EPPを含めて製品の全プログラムをサポート
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供する「ESET PROTECT MDR」は、EPPとXDRを統合し、事前・事後両面でエンドポイントを防御するクラウド型セキュリティサービスです。機械学習エンジンや脅威情報共有システムを活用し、侵入経路や被害範囲の特定、遠隔隔離まで迅速に対応。中堅・大企業の多様な環境に適した多層防御を実現します。
セキュアエンドポイントサービス(Va)
- 高い精度のスキャンにより、アプリの脆弱性把握や対処が可能
- オンプレやリモート環境など、パソコンの動作状況をすべて把握
- 重大なインシデント発生時は対象パソコンを自動で隔離し能動通知
株式会社 USEN ICT Solutions が提供する「セキュアエンドポイントサービス(Va)」は、EPPによる脅威侵入前の防御とEDRによる侵入後の被害抑制、MSSによる監視・通知を統合したエンドポイントセキュリティサービスです。高精度スキャンや脆弱性の迅速把握、端末状態の一元管理に対応し、重大インシデント時には自動隔離と通知で被害拡大を防ぎます。
マネージドセキュリティサービス エンドポイントセキュリティ
- 高い検知精度のカスタムシグネチャーで見逃しリスクを低減
- SOCによる高度分析で運用負荷の低減やセキュリティの向上を実現
- 本製品とNWセキュリティデバイスの双方の監視による多層防御
NTTセキュリティ・ジャパン株式会社が提供する「マネージドセキュリティサービス エンドポイントセキュリティ」は、EDRで端末上の挙動を監視・分析し、標的型攻撃やランサムウェア対策を支援するサービスです。SOCによる高度分析や独自シグネチャーで検知精度を高め、選択可能なEDR製品とNWセキュリティの連携で多層防御を実現し、運用負荷軽減と迅速な対応を可能にします。
まとめ
メールの乗っ取りに気付いたらできるだけ早急に対策をとりましょう。また、被害にあわないよう定期的な設定の見直し・セキュリティ対策も重要です。なおメールアカウントの乗っ取りを事前に防ぐ対策方法としては、メールセキュリティ製品の導入が有効です。システム面での防備を固め、サイバー攻撃から自社の情報や従業員を守りましょう。
具体的な製品をお探しの方は、以下のボタンより資料請求が可能です。
添付ファイルありのメールは上席者の事前査閲による承認を得ないと送信されないため、誤送信リスクの低減が見込める。初めてメールを送信する先にはアラートが出るため、アドレス確認を入念に行うようになった。
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