10名・30名規模の企業に合うネットワーク監視の考え方
従業員10名や30名程度の組織では、専任の情報システム担当者がいないケースも想定されます。監視対象の機器数が少ないため、大規模向けの多機能な製品よりも、必要な機能に絞った製品のほうが運用しやすい場合があります。
小規模企業でネットワーク監視ツールを選ぶ基準
小規模企業では、監視対象の台数や拠点数に見合った機能構成かどうかを確認することが基準の一つになります。過剰に高機能な製品を選ぶと、使わない機能のためのコストが発生したり、設定項目が多く運用の負担が増えたりするケースがあります。
具体的には、画面の見やすさ、初期設定にかかる時間、サポート窓口の有無を確認する方法が考えられます。専任担当者がいない場合は、ベンダーに問い合わせて初期設定の支援内容を確認しておくと、導入後の作業負担を見積もりやすくなります。無料トライアルを用意している製品であれば、契約前に実際の操作感を確かめてから判断する進め方も選択肢になります。
30名規模で無理のない監視範囲を設定する方法
30名規模になると、部門ごとに使う機器やサーバーが増え、監視すべき対象も広がる傾向があります。すべての機器を一律に監視するのではなく、業務への影響が大きい機器から優先度を付けて監視範囲を設定する方法が有効な選択肢になります。
優先度の付け方としては、停止すると業務が止まる基幹サーバーや共有ストレージを優先し、影響が限定的な機器は段階的に監視対象へ加える進め方があります。段階的な拡張であれば、運用担当者の負担を抑えながら監視体制を整えやすくなります。
50名・100名規模のネットワーク監視で比較したいポイント
50名や100名規模になると、拠点や部門が複数にまたがることが多くなり、単純な死活監視だけでなく、比較の軸を増やして製品を検討する必要が出てきます。
50名規模で複数拠点や部門を意識した比較の軸
50名規模の企業では、本社に加えて支店や倉庫など複数の拠点を持つケースがあります。この規模では、拠点をまたいだ監視状況を一つの画面で確認できるかどうかが比較の軸の一つになります。
あわせて、部門ごとに異なるネットワーク機器を導入している場合は、対応機器の範囲や、SNMPなど一般的な通信規格への対応状況も確認しておくと、導入後に監視対象から漏れる機器を減らせる可能性があります。拠点数が増えるほど、監視画面の見やすさが運用担当者の負担に直結するため、実際の管理画面を確認してから比較する方法も有効です。
100名規模で想定される運用体制
100名規模の企業では、情報システム部門に複数名が在籍しているケースと、少人数で幅広い業務を兼務しているケースの両方が見られます。運用体制によって、必要な機能や確認したい観点も変わります。
少人数で運用する場合は、アラート内容を分かりやすく通知する機能や、対応履歴を複数人で共有できる機能が実務上の助けになる場合があります。導入事例を確認する際は、自社と近い体制の企業がどのように運用しているかを参考にする方法が考えられます。あわせて、導入時にベンダーからどの程度の設定支援を受けられたかも、事例を読み解くうえで参考になる情報の一つです。
300名以上・上場企業のネットワーク監視に求められる要件
従業員300名以上の企業や上場企業では、監視対象の機器数が大幅に増えるだけでなく、内部統制やログの保管期間など、組織として満たすべき要件が増える傾向があります。
大規模なネットワークを監視する際の拡張性
大規模企業では、拠点の増加や組織再編にあわせて監視対象を柔軟に追加できるかどうかが重要な確認事項になります。監視対象の追加が容易でない製品では、組織の変化に運用が追いつかなくなる可能性があります。
拡張性を確認する方法としては、監視対象を追加する際の作業手順や、追加にかかる時間、ライセンス体系を事前に確認しておくことが挙げられます。将来の拠点拡大や組織変更を想定した確認が、長期的な運用の負担を左右します。また、システム統合やM&Aなどで監視対象が急に増える場合を想定し、短期間で対象を追加できるかも確認しておくと安心です。
上場企業が重視する内部統制とログ管理の観点
上場企業では、内部統制の一環として、誰がいつどのような操作を行ったかを追跡できる仕組みが求められる場合があります。ネットワーク監視ツールにおいても、ログの保管期間や操作履歴の確認しやすさが評価の対象になります。
ログ管理の具体的な確認項目としては、ログの保存期間、エクスポートの可否、アクセス権限の細かさなどが挙げられます。内部統制の要件は企業ごとに異なるため、自社の監査部門やベンダーへ確認しながら選定を進める進め方が実行しやすいといえます。監査対応で証跡の提出を求められる場面を想定し、必要な項目を事前に洗い出しておくと確認漏れを防ぎやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でネットワーク監視の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
グループ会社のネットワークをまとめて監視する方法
複数のグループ会社を持つ企業では、各社が個別に監視ツールを導入していると、全体像の把握に手間がかかる場合があります。統合的な監視の仕組みを検討する企業も見られます。
複数拠点・グループ会社を統合管理する仕組み
グループ会社のネットワークを統合管理する仕組みとしては、各社の監視データを一つの管理画面に集約する方法があります。本社の情報システム部門がグループ全体の状況を把握しやすくなる点が特徴です。
統合管理を検討する際は、各グループ会社で異なるネットワーク構成やセキュリティポリシーに対応できるかを確認する必要があります。既存の運用ルールと大きく異なる仕組みを導入すると、現場での定着に時間がかかる場合があります。
統合監視で生じやすい課題への対応
統合監視を進める過程では、グループ会社ごとに管理者権限の範囲をどう分けるかという課題が生じる場合があります。本社が全体を把握しつつ、各社の担当者が自社分の対応を行える権限設計が必要になります。
対応方法としては、権限をグループごとに分ける機能があるかを比較項目に加えることや、導入前にグループ会社の情報システム担当者を交えて運用ルールを整理しておくことが挙げられます。あわせて、障害発生時にどの拠点の誰へ一次連絡が入るかをあらかじめ決めておくと、対応の遅れを抑えやすくなります。
企業規模に対して過不足のある選定を避けるための注意点
企業規模とネットワーク監視ツールの機能が見合っていない場合、コストの増加や監視漏れといった課題につながる場合があります。規模に応じた選定の考え方を確認します。
規模に対して過不足のある機能選定のリスク
小規模な組織が多機能な製品を導入すると、使わない機能の分だけ費用がかさむ場合があります。反対に、大規模な組織が簡易な製品を選ぶと、監視対象の増加に対応しきれず、一部の機器が監視対象から漏れる可能性があります。
このリスクを避けるためには、現在の機器台数だけでなく、今後1~2年程度で見込まれる拠点や機器の増減も踏まえて比較する方法が有効です。見積もり時に将来の増減を伝え、料金体系がどう変わるかを確認しておくと判断しやすくなります。監視対象の増減にあわせて契約プランを柔軟に変更できるかどうかも、あわせて確認しておきたい項目です。
段階的に監視範囲を拡大する運用設計
企業規模が拡大していく過程では、監視範囲を一度に広げるのではなく、段階的に拡大する運用設計が現実的な選択肢になります。優先度の高い機器から監視を始め、運用に慣れながら対象を広げる進め方です。
段階的な拡大を行う場合は、対応マニュアルの整備や、担当者間での引き継ぎ方法をあわせて検討しておくことが望ましいといえます。特定の担当者だけに運用が偏らないよう、複数人で状況を把握できる体制を意識するとよいでしょう。加えて、拡大の節目ごとに運用ルールを見直す機会を設けると、規模の変化に体制が追いつかなくなる事態を防ぎやすくなります。
企業規模ごとの監視ニーズに対応するネットワーク監視ツール
ここまで見てきた企業規模ごとの比較の視点を踏まえ、小規模組織から拠点・グループ会社をまたぐ大規模組織まで、それぞれの運用体制に合わせやすいネットワーク監視ツールを紹介します。
システム監視ミニ
- システム異常を即座に検知・通知
- 情シス担当者の業務負担を軽減し、システムの安定稼働をサポート
- IT資産の稼働監視を手軽に始められるリスク予防
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「システム監視ミニ」は、サーバーやネットワーク機器の稼働状況を監視するシステム監視サービスです。監視対象の状態をあらかじめ設定したしきい値と照らし合わせ、異常を検知した際にアラートで担当者へ知らせます。専任の運用担当者が少ない小規模な組織でも扱いやすい構成となっており、必要な監視項目に絞って導入を始めやすい点が特徴です。
InterMapper
- グラフィカルでリアルタイムなネットワーク監視
- 管理者の勤務状況に合わせたアラート通知
- マルチ言語対応(日本語・英語・中国語・スペイン語)
株式会社アンフェイクが提供する「InterMapper」は、ネットワーク機器の接続状況をマップ形式で可視化できるネットワーク監視ツールです。SNMPなど一般的な通信規格に対応した機器の稼働状況を一つの画面でまとめて確認でき、拠点や部門が増えて監視対象が広がる中規模から大規模の組織でも、機器構成の全体像を把握しやすくなります。
WhatsUp Gold (プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社)
- IT環境全体を一元的に監視・可視化
- リアルタイム分析で異常を検知し、迅速な対応を支援。
- ネットワーク構成を自動検出しマップ表示
Datadog Watchdog (Datadog Japan 合同会社)
- 機械学習で異常を自動検出し、監視業務を効率化。
- 原因分析を支援するインサイトを提示
- 複数データを横断して関連する変化を可視化
NETGEARInsightアプリ&クラウド (ネットギアジャパン合同会社)
- スマホやブラウザからリモートで設定・監視・管理が可能
- 対応機器を一括管理し、ネットワーク全体を可視化
- マルチテナント管理に1アカウントで対応(Pro)
まとめ
ネットワーク監視ツールは、10名規模の小さな組織から300名以上の大規模企業、グループ会社まで、企業規模によって確認すべき比較の観点が異なります。監視対象の台数や拠点数、将来の拡張性、内部統制の要件などを踏まえ、自社の規模にあった製品を比較検討することが選定の進め方として有効です。気になる製品があれば、資料請求を通じて詳細を確認してみてください。


