情シス担当1人でも運用できるネットワーク監視の考え方
専任の情報システム担当者が1人しかいない、あるいは情シス自体が存在しない企業では、運用の負担を抑えられる仕組みが重視される傾向があります。限られた時間の中で無理なく続けられる運用を意識することが大切です。
情シス1人体制で運用する際に確認したいポイント
担当者が1人しかいない場合、日常業務と並行してネットワークの状況を確認する必要があり、監視にかけられる時間は限られます。通知内容が分かりやすく、優先度の高いアラートを見落としにくい仕組みかどうかが確認したい視点になります。
具体的には、アラートを重要度別に分類して表示できるか、スマートフォンでも通知を受け取れるかを確認する方法が挙げられます。休暇や出張で担当者が不在になる場面を想定し、代理での確認や引き継ぎがしやすい仕組みかもあわせて確認しておくとよいでしょう。夜間や休日に障害が起きた場合の一次対応方法もあらかじめ決めておくと、担当者の負担を一定の範囲に抑えやすくなります。
情シスがいない企業でも導入しやすい仕組み
情報システム部門を持たない企業では、導入時の設定作業や運用開始後の問い合わせ対応を、どの程度ベンダーに頼れるかが選定のポイントになります。設定を代行してもらえる範囲を事前に確認しておくと安心です。
あわせて、専門用語を使わない管理画面や、マニュアルの分かりやすさも比較の観点になります。導入前に無料相談やトライアルを利用し、実際の操作感を確かめたうえで判断する進め方が現実的です。社内に詳しい担当者がいない場合は、外部の専門事業者へ運用の一部を相談できるかもあわせて確認しておくと安心です。
多拠点のネットワークをまとめて監視する方法
拠点数が増えると、拠点ごとに個別で状況を確認する方法では、全体の把握に時間がかかるようになります。まとめて監視する方法を検討する企業が増えている状況です。
多拠点環境で監視をまとめる際に確認したいポイント
多拠点環境では、拠点ごとに異なるネットワーク機器やインターネット回線を使っているケースが珍しくありません。まとめて監視する際は、拠点間の構成の違いに対応できるかどうかが確認したい視点になります。
具体的には、拠点ごとに監視項目を個別設定できるか、拠点間で通信状況を比較して表示できるかが挙げられます。新しい拠点を開設する際に、既存の設定を流用して短時間で監視を開始できる仕組みがあると、運用の負担を抑えやすくなります。回線の種類や速度が拠点ごとに異なる場合は、その違いを踏まえたしきい値設定ができるかも確認しておきたい点です。
本社で全拠点の状況を一括管理する方法
本社の情報システム部門が全拠点の状況を一括管理したい場合、一つの管理画面ですべての拠点の稼働状況を確認できる仕組みが求められます。拠点数が多いほど、画面の見やすさが運用効率を左右します。
一括管理を進める際は、各拠点の担当者にも必要な範囲の情報を共有できる権限設定があるかを確認する方法が有効です。本社と拠点の間で確認できる情報の範囲を事前に取り決めておくと、対応の重複や連絡の行き違いを防ぎやすくなります。障害発生時に本社と拠点のどちらが一次対応を行うかも、導入前に決めておくと混乱を防ぎやすくなります。
グループ会社のネットワーク監視を統合する進め方
複数のグループ会社を持つ企業では、各社が個別に監視の仕組みを持つよりも、統合した体制を検討するケースがあります。統合を進める際に確認しておきたい観点を見ていきます。
グループ会社統合管理の進め方
グループ会社の監視を統合する場合、まずは各社のネットワーク構成やセキュリティポリシーの違いを洗い出すことから始める進め方が実行しやすいといえます。統合対象の範囲を段階的に広げる方法も選択肢になります。
進め方としては、影響範囲の大きい主要なグループ会社から着手し、運用が安定した段階で他社へ広げる方法があります。各社の情報システム担当者を交えた検討の場を設けることで、現場の実情に合わない統合を避けやすくなります。統合の過程で既存の監視ツールを併用する期間を設けると、切り替えにともなう監視の空白を防ぎやすくなります。
統合管理における権限設計の考え方
統合管理では、本社が全体を把握する一方で、各グループ会社の担当者が自社分の情報にアクセスできる権限設計が必要になります。権限の範囲を誤ると、必要な情報が確認できない、あるいは不要な情報まで見えてしまう状態になりかねません。
権限設計を検討する際は、閲覧のみ可能な権限と設定変更が可能な権限を分けられるかを確認する方法が挙げられます。グループ会社の増減や組織再編が想定される場合は、権限設定を柔軟に変更できるかもあわせて確認しておくとよいでしょう。権限の付与や変更を行った履歴が残る仕組みであれば、後から確認する際にも役立ちます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でネットワーク監視の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
情シスと外部NOCで分業するネットワーク監視の体制
自社の情報システム部門と、外部の運用監視事業者(NOC)が役割を分担する体制を採用する企業もあります。分業体制ならではの確認事項を整理します。役割分担が明確であるほど、障害発生時の対応がスムーズに進みやすくなります。
情シスと外部NOCの役割分担の考え方
分業体制では、一次対応を外部NOCが担い、判断が必要な対応や設定変更を自社の情シスが行うといった役割分担を採用するケースが多くあります。どこまでを外部に任せ、どこからを自社で判断するかを事前に明確にしておく必要があります。
役割分担が曖昧なままだと、対応の遅れや責任の所在が不明確になる場合があります。契約時に、対応範囲や報告のタイミングを具体的に取り決め、双方の認識をすり合わせておくことが安定した運用につながります。定例の報告会を設けて、対応状況や課題を継続的に共有する仕組みも運用の安定に役立ちます。
分業体制でポリシー運用をそろえる方法
情シスと外部NOCが分業する場合、それぞれが異なる基準でアラートに対応すると、監視の品質にばらつきが出る場合があります。共通のポリシーを整備し、双方が同じ基準で対応できるようにすることが求められます。
具体的な方法としては、対応手順や優先度の判断基準を文書化して共有すること、定期的に運用状況を振り返る場を設けることが挙げられます。ポリシーは一度決めて終わりにせず、運用しながら見直す姿勢が実務に合った体制づくりにつながります。運用開始から一定期間は基準どおりに対応できているかを重点的に確認し、必要に応じて早めに調整することも有効です。
運用体制を構築する際に共通して意識したい点
どの体制を選ぶ場合でも、共通して意識しておきたい点があります。運用の安定性を高めるための考え方をあわせて整理します。
属人化を防ぐ運用ルールの整備
特定の担当者だけが設定内容や対応手順を把握している状態は、その担当者が不在になった際に運用が滞るリスクを伴います。担当者が変わっても対応できるよう、運用ルールを文書化しておくことが望ましいといえます。
具体的には、監視設定の変更履歴を記録する、対応手順をマニュアル化する、定期的に複数人で運用状況を確認する場を設けるといった方法が挙げられます。こうした取り組みは、担当者の異動や退職があっても運用を継続しやすくします。マニュアルは作成した時点で終わりにせず、実際の対応を踏まえて更新し続けることで、実務に即した内容を保ちやすくなります。
運用体制の定期的な見直し
企業の成長や組織変更にともない、当初決めた運用体制が実情に合わなくなる場合があります。運用体制は一度構築して終わりではなく、定期的に見直す機会を設けることが重要です。
見直しのポイントとしては、拠点数や監視対象の増減に体制が追いついているか、担当者の負担が偏っていないかなどが挙げられます。半年から1年ごとに運用状況を振り返り、必要に応じて体制や契約内容を調整する進め方が実務的です。見直しの結果を記録として残しておくと、次回以降の検討がスムーズになります。
運用体制のパターン別に検討したいネットワーク監視ツール
情シス1人体制から多拠点の一括管理、外部NOCとの分業まで、運用体制の形によって使いやすさの基準は異なります。それぞれの体制で導入しやすいネットワーク監視ツールを紹介します。
システム監視ミニ
- システム異常を即座に検知・通知
- 情シス担当者の業務負担を軽減し、システムの安定稼働をサポート
- IT資産の稼働監視を手軽に始められるリスク予防
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「システム監視ミニ」は、サーバーやネットワーク機器の稼働状況を監視し、異常検知時にアラートを通知するシステム監視サービスです。設定項目を絞った構成のため、情報システム担当者が1人しかいない体制や、情シスを置かない企業でも運用を始めやすい点が特徴です。
InterMapper
- グラフィカルでリアルタイムなネットワーク監視
- 管理者の勤務状況に合わせたアラート通知
- マルチ言語対応(日本語・英語・中国語・スペイン語)
株式会社アンフェイクが提供する「InterMapper」は、ネットワーク機器の接続状況をマップ形式で可視化するネットワーク監視ツールです。SNMPなど一般的な通信規格に対応した機器の稼働状況を一つの画面でまとめて確認できるため、複数拠点の状況を本社で一括把握したい体制や、グループ会社の統合管理を検討する体制にも適しています。
WhatsUp Gold (プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社)
- IT環境全体を一元的に監視・可視化
- リアルタイム分析で異常を検知し、迅速な対応を支援。
- ネットワーク構成を自動検出しマップ表示
STクラウド サーバーサービス (株式会社STNet)
- サーバー不要で導入・運用コストを削減
- 用途に応じた柔軟なサーバー構成を提供
- 通信事業者の知見を活かした高信頼クラウド
Icinga (Icinga GmbH)
- 監視、通知、分析までを一元的に提供。
- 自動化・API連携により運用業務の効率化を支援
- 分散構成と拡張性で大規模環境に対応。
まとめ
ネットワーク監視の運用体制は、情シス1人の小規模な体制から、多拠点をまとめる体制、グループ会社を統合する体制、外部NOCと分業する体制まで、企業の状況によって適した形が異なります。自社の体制に合った運用方法を整理したうえで製品を比較し、資料請求を通じて詳細を確認してみてください。体制の見直しは一度で終わらせず、組織の変化にあわせて継続的に調整していく姿勢が長期的な安定運用につながります。


