ネットワーク障害への気づきの遅れを解決する視点
障害への気づきが遅れると、業務への影響が長引く場合があります。まずは検知が遅れる要因を整理し、対策の方向性を確認していきます。
障害検知が遅れる要因と対策の考え方
障害への気づきが遅れる背景には、監視の仕組みが整っていないことに加え、通知が担当者に届いていても優先度が伝わらず対応が後回しになることなど、複数の要因が関係する場合があります。単純に監視ツールを導入するだけで解決するとは限りません。
対策としては、重要度に応じて通知方法を分ける、業務時間外でも確認できる体制を整える、定期的に監視項目を見直すといった方法が挙げられます。あわせて、検知から対応までの流れを一度整理し、どこで時間がかかっているかを洗い出すことも有効です。担当者が複数拠点を兼務している場合は、拠点間で連絡が行き違う場面も想定し、連絡経路をシンプルに保つ工夫も欠かせません。
遅延の原因を特定しやすくする仕組み
ネットワークの遅延が起きた際、原因がすぐに分からないと対応が長引きやすくなります。原因の切り分けをしやすくする仕組みを整えておくことが、迅速な対応につながります。
具体的には、通信経路ごとの状況を可視化できる機能や、過去の状態と比較できる機能があるかを確認する方法が挙げられます。原因が自社のネットワーク機器にあるのか、回線事業者側にあるのかを切り分けられる情報が得られると、対応の初動を早めやすくなります。あわせて、遅延が特定の時間帯に集中していないかなど、傾向を振り返られる記録が残っているかも確認しておきたい点です。
ネットワーク監視業務の属人化を解消する方法
特定の担当者に監視業務が集中する属人化は、多くの現場で課題として挙がります。属人化が起きる背景と解消の方法をあわせて確認していきます。
属人化が起きる背景
属人化は、設定や運用ルールが担当者の頭の中にしかない状態や、他のメンバーが操作方法を把握していない状態から生じやすいといえます。担当者が長く在籍しているほど、無自覚のうちに属人化が進んでいる場合もあります。
背景としては、業務量に対して人員が不足していることや、引き継ぎの機会が設けられていないことなどが考えられます。単一の原因に絞らず、体制と運用ルールの両面から見直すことが必要です。担当者本人が忙しさのあまり資料化の時間を取れないまま業務が積み重なっている状況も少なくありません。
属人化を防ぐ運用の仕組み化
属人化を防ぐには、設定内容や対応手順を文書として残し、複数人が同じ情報にアクセスできるようにすることが基本になります。属人化の解消は一度の対応では終わらず、継続的な取り組みが求められる点を理解しておく必要があります。
具体的な方法としては、監視設定の変更履歴を残す、定期的に運用ルールを読み合わせる場を設ける、担当者が複数人でアラート対応を分担できる体制にするといった取り組みが挙げられます。ナレッジを共有する文化を根づかせることが長期的な対策になります。忙しい時期ほど記録が後回しになりやすいため、記録を残す作業自体を業務の一部として位置づけておくことも効果的です。
アラート過多による運用工数を減らす考え方
アラートが大量に発生すると、重要な通知が埋もれてしまい、対応漏れにつながる場合があります。工数を減らすための考え方をあわせて整理します。
アラート過多が起きる要因
アラート過多は、しきい値の設定が実態に合っていないことや、軽微な事象まで通知の対象にしていることなど、複数の要因が重なって起きる場合があります。監視対象を増やした直後に発生しやすい傾向も見られる点に注意が必要です。
要因を整理する際は、直近のアラート履歴を振り返り、対応が不要だった通知がどの程度の割合を占めるかを確認する方法が有効です。実際の運用データをもとに見直すことで、感覚だけに頼らない改善につなげやすくなります。監視対象を追加した直後は特にアラート量が増えやすいため、追加後しばらくは通知内容を注意深く確認する期間を設けるとよいでしょう。
運用工数を削減する設定の工夫
運用工数を削減するには、しきい値の見直しに加えて、関連するアラートをまとめて一つの通知として扱う仕組みを活用する方法があります。通知の頻度が適切になることで、担当者が重要な情報に集中しやすくなります。
具体的には、重要度別に通知先やタイミングを分ける設定や、一定時間内に同じ種類のアラートが繰り返された場合はまとめて通知する設定などが挙げられます。設定変更後は、しばらく運用状況を観察し、過不足がないか確認する進め方が実務的です。通知を減らしすぎると重要な兆候まで見逃す可能性があるため、削減と見落とし防止のバランスを意識しながら調整することが求められます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でネットワーク監視の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
BCPの観点からネットワークの冗長性を監視する方法
事業継続計画(BCP)の観点では、ネットワークが停止した場合の影響を最小限に抑える仕組みが求められます。冗長性を監視する視点を順に確認していきます。
BCPとネットワーク監視の関係
BCPでは、災害や機器故障が起きても業務を継続できる体制が求められます。ネットワーク監視は、冗長化した回線や機器が正しく機能しているかを日常的に確認する役割を担います。
冗長化した設備があっても、切り替えの仕組み自体が正常に動作しているかを監視していなければ、いざというときに機能しない可能性があります。定期的な切り替えテストとあわせて、監視の仕組みを整えることが実効性のあるBCPにつながります。予備系統は普段使わない分、不具合に気づきにくい面があるため、意識的に確認の機会を設けることが求められます。
冗長構成を監視する際に確認したい視点
冗長構成の監視では、メインの回線だけでなく、予備の回線や機器の状態もあわせて把握できるかどうかが視点になります。予備系統の異常に気づかないまま放置されるケースも考えられます。
確認したい項目としては、主系と副系の切り替えが発生した際に通知が届くか、切り替え後の状態を継続して監視できるかが挙げられます。定期的な訓練とあわせて、監視データをもとに冗長構成の実効性を検証する取り組みも有効です。切り替え後に元の系統へ戻す作業を忘れてしまう事例も見られるため、復旧までの手順を通知内容に含めておくと対応漏れを防ぎやすくなります。
ネットワーク監視は内製すべきか外部委託すべきか
ネットワーク監視の運用は、自社の情報システム部門が担う内製と、外部のNOC(運用監視センター)に委託する方法があります。どちらが適しているかは企業の状況によって異なります。
内製で運用する場合の利点と留意点
内製で運用する場合、自社の業務内容やシステム構成を熟知した担当者が対応できる点が利点です。柔軟な設定変更や、社内の他部門との連携がしやすい傾向があります。日頃からシステムに触れている分、些細な変化にも気づきやすいという声も聞かれます。
一方で、担当者の負担が集中しやすく、休暇や退職の際に対応が滞るリスクも考えられます。内製を選ぶ場合は、複数人で運用できる体制や、緊急時の連絡ルールをあらかじめ整えておくことが留意点になります。人員に余裕がない企業では、内製と外部委託を部分的に組み合わせる方法も選択肢として検討できます。
外部のNOCに委託する場合の利点と留意点
外部のNOCに委託する場合、24時間体制での監視や、専門知識を持つ担当者による一次対応を受けられる点が利点として挙げられます。自社の人員だけでは難しい体制を補える選択肢になります。夜間や休日の対応を自社だけで担うのが難しい企業にとって、負担を分散できる点は大きな利点です。
一方で、自社の業務内容に対する理解が浅いと、判断が必要な場面で確認のやり取りに時間がかかる場合があります。委託を選ぶ際は、対応範囲や報告方法を事前にすり合わせ、自社の情シスとの役割分担を明確にしておくことが重要です。委託先が変わる際の引き継ぎ方法も含めて契約時に確認しておくと、将来的な切り替えの負担を抑えやすくなります。
検知遅れ・属人化・アラート過多を解決に導くネットワーク監視ツール
ここまで挙げた検知の遅れや属人化、アラート過多といった課題に対応しやすい特徴を持つネットワーク監視ツールを紹介します。自社の課題に近いものから比較の参考にしてください。
InterMapper
- グラフィカルでリアルタイムなネットワーク監視
- 管理者の勤務状況に合わせたアラート通知
- マルチ言語対応(日本語・英語・中国語・スペイン語)
株式会社アンフェイクが提供する「InterMapper」は、ネットワーク機器の接続状況をマップ形式で可視化するネットワーク監視ツールです。通信経路の状態を一画面でまとめて確認できるため、障害発生時に影響範囲や原因箇所を把握しやすく、担当者ごとに確認方法がばらつく属人化の解消にもつながります。
システム監視ミニ
- システム異常を即座に検知・通知
- 情シス担当者の業務負担を軽減し、システムの安定稼働をサポート
- IT資産の稼働監視を手軽に始められるリスク予防
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「システム監視ミニ」は、サーバーやネットワーク機器の稼働状況を監視し、異常検知時にアラートで通知するシステム監視サービスです。設定項目を絞った構成のため、担当者ごとの設定差が生まれにくく、少人数体制でも運用ルールを標準化しやすい点が特徴です。
Datadog Watchdog (Datadog Japan 合同会社)
- 機械学習で異常を自動検出し、監視業務を効率化。
- 原因分析を支援するインサイトを提示
- 複数データを横断して関連する変化を可視化
Flowmon (プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社)
- AI・機械学習で脅威を検出・分析
- フローベースエンジンでリソース節約と高い拡張性を実現。
- NetOpsとSecOps連携で安定環境構築
STクラウド サーバーサービス (株式会社STNet)
- サーバー不要で導入・運用コストを削減
- 用途に応じた柔軟なサーバー構成を提供
- 通信事業者の知見を活かした高信頼クラウド
まとめ
ネットワーク監視における障害検知の遅れ、属人化、アラート過多といった課題は、単一の原因ではなく複数の要因が重なって生じる場合があります。BCPの観点や内製・外部委託の選択も踏まえながら、自社の状況にあった運用方法を整理し、資料請求を通じて製品比較を進めてみてください。課題は一度に解決しようとせず、優先度の高いものから順に取り組む姿勢が実務では有効です。


