ネットワーク監視ツール自体の障害やサーバーダウンへの備え
監視ツールを提供するベンダー側のシステムにも、障害が発生する可能性があります。まずはその背景と確認方法を整理します。
ツール提供者側でも障害が起こりうる背景
クラウド型のサービスは、提供企業側のサーバーやネットワークに依存しているため、提供企業側で障害が起きると、自社の監視機能そのものが一時的に利用できなくなる可能性があります。これはネットワーク監視ツールに限らず、多くのクラウドサービスに共通する構造的な特性です。
特定の製品が障害を起こしやすいと断定することはできませんが、どのようなサービスにも一定の可用性の限界があることを理解しておく必要があります。監視対象のネットワークが正常でも、監視ツール自体が停止していれば異常に気づけない状態になるため、この点は事前に理解しておきたい特性です。監視ツール自体にも停止リスクがあることを前提に、代替手段を検討しておくことが重要です。
障害情報を確認する方法
障害の履歴や対応状況を確認する方法としては、ベンダーが公開している障害情報のページや、サービスの稼働状況を示すステータスページの有無を確認することが挙げられます。過去の障害に対して、原因と対応が明確に説明されているかも判断材料になります。
あわせて、自社の監視ツールが停止した場合の代替手段をあらかじめ検討しておくことも有効です。重要度の高いシステムについては、複数の監視手段を組み合わせることで、単一の障害が全体の監視停止につながるリスクを抑えられる場合があります。障害発生時にベンダーからどのように情報提供されるか、連絡経路もあわせて確認しておくと安心です。
監視データの漏えいリスクと確認したい対策
ネットワーク監視ツールは、社内のネットワーク構成や機器情報といった機密性のある情報を扱います。データの取り扱いに関する確認は欠かせません。
監視データが漏えいするリスクの背景
データ漏えいは、不正アクセスや設定不備、委託先の管理不足など、さまざまな要因で起こる可能性があります。特定のサービスで漏えいが起きやすいと断定することはできず、どのようなシステムにも一定のリスクが存在します。
重要なのは、リスクの有無そのものよりも、ベンダーがどのような対策を講じているかを確認することです。通信の暗号化、アクセス権限の管理、データセンターのセキュリティ体制など、確認できる項目は複数あります。自社の情報システム部門が確認したい項目をあらかじめリスト化しておくと、複数社を比較する際に効率よく確認できます。
対策状況を確認する視点
対策状況を確認する際は、公式サイトに記載されたセキュリティ対策の内容に加え、第三者認証の取得状況もあわせて確認する方法が有効です。認証の対象範囲が自社の求める基準と合っているかも確認しておきたい点です。
不明な点があれば、契約前にベンダーへ直接問い合わせ、書面で回答を得ておくことをおすすめします。自社の情報セキュリティ部門がある場合は、確認内容を共有し、専門的な観点からも評価してもらうと安心です。取引先や親会社から特定のセキュリティ基準を求められている場合は、その要件との整合性もあわせて確認しておく必要があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でネットワーク監視の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
サービス終了のリスクとその備え
導入した製品のサービスが将来的に終了する可能性は、契約前に考慮しておきたいリスクの一つです。
サービス終了が起こりうる背景
サービスが終了する背景には、提供企業の事業方針の転換、後継製品への統合、市場環境の変化など、さまざまな事情が考えられます。特定の企業が終了させやすいと一概には言えず、どのサービスにも起こりうるリスクです。
サービスが終了する場合、多くは一定の予告期間を設けて案内されますが、乗り換え先の選定や移行作業には相応の時間と労力がかかります。サービスの長期継続を契約前に完全に見通すことは難しいため、備えの観点を持っておくことが大切です。予告期間が短い場合、代替製品の選定や移行作業を急いで進めなければならず、現場に負担がかかる可能性もあります。
終了時に備えた確認事項
備えとしては、契約時にデータのエクスポート機能があるかを確認し、他製品への移行がしやすい形式で監視データを保存できるようにしておくことが挙げられます。特定の製品に依存しすぎない運用を意識することも一つの考え方です。設定内容や監視項目の一覧を別途記録しておけば、移行が必要になった際の作業負担を軽減しやすくなります。
また、提供企業の事業継続性を判断する材料として、サービスの提供年数や、既存顧客への対応実績なども参考になります。契約更新のタイミングで、サービスの状況を定期的に見直す習慣をつけておくと安心です。長く運営されているサービスであっても将来を完全に保証するものではないため、過信せず継続的に情報を確認する姿勢が望ましいといえます。
導入実績の数字を確認する際のポイント
「導入社数」や「シェア」といった数字は判断材料になりますが、数字の意味を正しく理解することが重要です。
導入実績の数字を見る際の注意点
導入実績の数字は、集計時期や対象範囲によって変動するものであり、根拠となる算出方法が公開されているかどうかも製品によって異なります。数字の大きさだけを見て判断すると、実態と異なる印象を持ってしまう可能性があります。
また、導入社数が多いことと、自社の業種や規模に適していることは、必ずしも同じ意味ではありません。数字はあくまで参考情報の一つとして捉え、自社の要件との適合性を別途確認する姿勢が求められます。数字の大きさだけで確認を省略すると、実際の運用段階で自社に合わない部分に気づくことになりかねません。
実績を確認する具体的な方法
実績を確認する際は、数字の算出方法や集計時期が明記されているかを確認し、不明な場合はベンダーに直接問い合わせる方法が有効です。あわせて、自社と近い業種や規模での具体的な導入事例があるかも確認しておくとよいでしょう。
数字そのものよりも、事例の内容が自社の課題と重なっているかを重視して読み解くことが、実態に近い判断につながります。複数の事例を比較し、共通して語られている効果や注意点があるかを確認する方法も参考になります。
悪い口コミの内容を確認する意義
良い評判だけでなく、悪い口コミも確認すると、製品の弱点や注意点を把握しやすくなります。
悪い口コミに多い内容の傾向
悪い口コミには、操作性への不満、サポート対応への不満、価格に対する不満など、さまざまな内容が含まれます。特定の指摘が多くの投稿で繰り返されている場合は、一定の傾向として参考にする価値があります。逆に一件だけの投稿である場合は、個別の事情が影響している可能性も考慮する必要があります。
一方で、口コミは投稿者個人の環境や期待値によって内容が左右されるため、一件の投稿だけで判断せず、複数の口コミを比較しながら傾向をつかむことが重要です。自社の利用シーンに当てはまる内容かどうかも、あわせて考える必要があります。投稿者の企業規模や業種が分かる場合は、自社との近さもあわせて参考にするとよいでしょう。
口コミを判断材料として活かす方法
口コミを活かす方法としては、指摘されている内容が自社にとって重要な項目かどうかを整理し、契約前にベンダーへ直接確認する材料として使う進め方が挙げられます。改善が図られている場合もあるため、投稿時期も確認しておくとよいでしょう。古い投稿の内容が現在も当てはまるとは限らないため、最新の状況とあわせて確認する意識が求められます。
悪い口コミの存在だけで選択肢から外すのではなく、内容を具体的に読み解いたうえで、自社にとって許容できる範囲かどうかを判断する姿勢が現実的です。指摘内容について契約前にベンダーへ直接質問し、対応状況や改善予定を確認することも有効な進め方です。
信頼性の確認材料になるネットワーク監視ツール
障害情報の公開状況やセキュリティ対策など、信頼性を確認するうえでの視点を踏まえ、公式サイトで情報を確認しながら検討を進めやすいネットワーク監視ツールを紹介します。
InterMapper
- グラフィカルでリアルタイムなネットワーク監視
- 管理者の勤務状況に合わせたアラート通知
- マルチ言語対応(日本語・英語・中国語・スペイン語)
株式会社アンフェイクが提供する「InterMapper」は、ネットワーク機器の接続状況をマップ形式で可視化するネットワーク監視ツールです。SNMPなど一般的な通信規格に対応しており、公式サイトで機能や対応範囲を確認したうえで、自社が求めるセキュリティ要件と照らし合わせて検討できます。
システム監視ミニ
- システム異常を即座に検知・通知
- 情シス担当者の業務負担を軽減し、システムの安定稼働をサポート
- IT資産の稼働監視を手軽に始められるリスク予防
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「システム監視ミニ」は、サーバーやネットワーク機器の稼働状況を監視するシステム監視サービスです。監視項目を絞った構成のため、契約前にベンダーへ運用体制やデータの取り扱いについて具体的に確認しやすく、認識をすり合わせながら導入を検討できます。
STクラウド サーバーサービス (株式会社STNet)
- サーバー不要で導入・運用コストを削減
- 用途に応じた柔軟なサーバー構成を提供
- 通信事業者の知見を活かした高信頼クラウド
WhatsUp Gold (プログレス・ソフトウェア・ジャパン株式会社)
- IT環境全体を一元的に監視・可視化
- リアルタイム分析で異常を検知し、迅速な対応を支援。
- ネットワーク構成を自動検出しマップ表示
Icinga (Icinga GmbH)
- 監視、通知、分析までを一元的に提供。
- 自動化・API連携により運用業務の効率化を支援
- 分散構成と拡張性で大規模環境に対応。
まとめ
ネットワーク監視ツールの信頼性は、障害履歴やデータの取り扱い、サービス継続性、導入実績、口コミなど、複数の観点から確認することが望ましいといえます。数字や評判を鵜呑みにせず、それぞれの背景を理解したうえで、資料請求や問い合わせを通じて実態を確認することをおすすめします。信頼性の確認には時間がかかりますが、導入後の安心につながる大切な工程として捉えることが望ましいといえます。


