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決算個社IT・インターネット2026年09月07日

【株式会社ソリトンシステムズ(証券コード:3040)徹底解説】2026年12月期 第1四半期──営業利益+53.2%と収益性が大幅向上

【株式会社ソリトンシステムズ(証券コード:3040)徹底解説】2026年12月期 第1四半期──営業利益+53.2%と収益性が大幅向上

株式会社ソリトンシステムズは、認証アプライアンス「NetAttest EPS」をはじめとするITセキュリティ製品や、映像コミュニケーションソリューション「Smart-telecasterシリーズ」を展開する企業です。官公庁・自治体・教育機関から民間企業まで幅広い顧客基盤を持ち、クライアント証明書認証やネットワークセキュリティの分野で高いシェアを誇ります。

2026年12月期第1四半期(2026年1月1日〜3月31日)の連結業績は、売上高51億65百万円(前年同期比+12.7%)、営業利益9億08百万円(同+53.2%)、経常利益9億49百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益6億85百万円(同+71.1%)となり、増収増益を達成しました。主力のITセキュリティ事業が好調に推移したことに加え、100%子会社の株式売却に伴う特別利益の計上も、純利益を押し上げる要因になったと見られます。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
株式会社ソリトンシステムズ(証券コード:3040)の決算解説

今期スタートを取り巻く市場環境

2026年12月期第1四半期における世界経済は、地域ごとに異なる様相を見せました。米国は物価上昇の沈静化が道半ばであるものの、生成AI関連投資や堅調な雇用環境を背景に安定的に推移しました。欧州はインフレ鈍化が進む一方、エネルギー価格の影響から回復は緩やかでした。中国では不動産市場や個人消費の低迷が継続しています。日本国内は物価上昇への懸念が残るものの、設備投資やインバウンド需要により緩やかな拡大基調が続いていると見られます。

こうした環境の中、IT投資については、企業競争力の強化や業務効率化・生産性向上を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが引き続き高水準で推移しました。クラウドサービスの利用拡大や生成AIの実務適用に加え、サイバーセキュリティ対策の高度化は全業種に共通する重要テーマとして位置づけられ、関連投資は堅調に拡大していると考えられます。

一方で、デジタル活用が進むほど、情報漏洩やランサムウェア等のマルウェア被害、システム障害・サービス停止といったサイバーリスクは増大しています。官公庁・自治体・重要インフラ分野では対応強化が進むほか、民間企業でもサプライチェーン全体でのセキュリティ水準向上を目的とした規制・ガイドラインへの対応が意識され、計画的かつ継続的なセキュリティ投資を実施する動きが広がっているようです。

業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社ソリトンシステムズ 2026年12月期 第1四半期決算短信(PDF)

当第1四半期連結累計期間の売上高は51億65百万円(前年同期比+12.7%)となりました。主力のITセキュリティ事業における自社製品・サービスの販売が好調に推移したことが、増収の主な要因です。粗利率は48.8%(前年同期は45.9%)に改善しており、収益性の高い製品・サービスの販売比率が高まったことがうかがえます。

利益面では、営業利益が9億08百万円(同+53.2%)、営業利益率は17.6%(前年同期は12.9%)となり、大幅に改善しました。経常利益は、資金運用による受取利息26百万円等が加わり9億49百万円(同+79.7%)となっています。親会社株主に帰属する四半期純利益は6億85百万円(同+71.1%)でした。

項目

2026年12月期Q1

前年同期比

売上高

51億65百万円

+12.7%

営業利益

9億08百万円

+53.2%

経常利益

9億49百万円

+79.7%

親会社株主に帰属する四半期純利益

6億85百万円

+71.1%

直近決算の重要ポイント

今回の決算で特に注目されるのは、収益性の大幅な改善です。営業利益率は前年同期の12.9%から17.6%へと4.7ポイント上昇しており、主力のITセキュリティ事業における高付加価値な製品・サービスの構成比が高まったことが背景にあると見られます。売上高の伸び率(+12.7%)を大きく上回るペースで営業利益(+53.2%)が伸びている点は、利益体質の強化が進んでいることを示していると考えられます。

また、将来的な事業上の相乗効果が薄いと判断し、100%子会社であった株式会社Sound-FinTechを売却したことも今回の決算のトピックです。この売却に伴い、特別利益として子会社株式売却益63百万円を計上しており、四半期純利益の押し上げ要因となりました。この一連の動きから、収益性の高い事業へ経営資源を集中させる方針がうかがえます。

今期の重点領域と収益構造

セグメント別に見ると、ITセキュリティ事業の売上高は48億50百万円(前年同期比+12.6%)、セグメント利益は11億69百万円(同+45.2%)となりました。認証アプライアンス「NetAttest EPS」の販売が、自治体強靭化第2期やGIGAスクール構想第2期の進展を追い風に好調に推移したことが、大きな成長要因になったと見られます。クラウドサービスの売上も伸びており、ストック型収益の拡大が進んでいるようです。

映像コミュニケーション事業は、売上高267百万円(前年同期比+18.1%)と増収でしたが、セグメント損失は60百万円(前年同期は36百万円の損失)となりました。「Smart-telecasterシリーズ」はパブリックセーフティ分野向けの販売が堅調だった一方、映像配信システムを構成するサーバー価格の上昇が利益を圧迫したと見られます。Eco新規事業開発は、売上高47百万円(同-5.0%)、セグメント損失55百万円と、既存の人感センサー中心の事業構成にとどまっており、今後の育成が課題になっていると考えられます。

業界の注目ポイント

自治体強靭化・GIGAスクール構想の進展

官公庁・自治体・教育機関を取り巻く政策動向は、同社の業績に直結する重要な要素です。自治体強靭化第2期やGIGAスクール構想第2期が進展する中、国内シェアNo.1とされる認証アプライアンス「NetAttest EPS」の販売が好調に推移しました。行政・教育分野における継続的なセキュリティ投資が、同社の収益基盤を支えていると考えられます。

サイバーセキュリティ需要の高まりとアライアンス戦略

クライアント証明書による強固な認証環境の実現に向け、国産ベンダーとのアライアンスも進展しています。株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJネットワーク認証ソリューション with Soliton」には、同社の「NetAttest EPS」と「Soliton OneGate」が中核製品として採用されました。また、日本電気株式会社が中堅企業や教育機関向けに提供するVPNルータ「UNIVERGE IX-R」と、同社のWebフィルタリングサービス「Soliton DNS Guard」を組み合わせたソリューションも発表されています。他社との連携を通じて販路を拡大する戦略がうかがえます。

映像コミュニケーション・遠隔運転分野の展開

「Smart-telecasterシリーズ」は、国内外のパブリックセーフティ分野(防衛、公的治安、災害対処)向け販売が堅調に推移しました。遠隔運転分野では、パブリックセーフティ分野で大型の受注を獲得したほか、民間バス会社や自治体との実証実験も進めています。事業化に向けた技術開発が進んでいる段階であり、今後の収益化が期待される領域と考えられます。

ITトレンド編集部の考察

今回の決算で特に印象的なのは、増収率を大きく上回るペースで増益を達成した点です。サイバーセキュリティ対策の高度化やDX投資の継続、官公庁・自治体・重要インフラにおけるセキュリティ強化という業界全体の追い風を受け、主力のITセキュリティ事業が着実に収益を積み上げていると見られます。粗利率・営業利益率がともに改善した背景には、クラウドサービスなど収益性の高い製品構成への転換が進んでいることも影響していると考えられます。

一方で、映像コミュニケーション事業やEco新規事業開発は、増収または横ばいの中でも損失が続いており、収益化には一定の時間を要する段階にあるようです。ただし、遠隔運転分野での大型受注獲得やアナログエッジAIの開発進展など、将来の成長につながる布石も見られます。100%子会社の売却による経営資源の集中も踏まえると、同社は主力のITセキュリティ事業を軸にしつつ、新規領域の育成を並行して進める方針を継続していくものと見られます。

まとめ

  • 売上高:51億65百万円(前年同期比+12.7%)
  • 営業利益:9億08百万円(前年同期比+53.2%)
  • 経常利益:9億49百万円(前年同期比+79.7%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益:6億85百万円(前年同期比+71.1%)
  • 2026年12月期通期予想:売上高212億円、営業利益31億50百万円、純利益23億50百万円、配当予想60.0円

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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